米Yahoo!は17日、ユーザーログデータを、一部を除いて90日後に匿名化するという新たなプライバシーポリシーを発表した。匿名化されるデータは検索ログにとどまらず、ページビュー、ページクリック、広告ビュー、広告クリックにまで及んでいる。
Yahoo!は2007年、データの匿名化を13カ月後に行うと発表していた。今回の発表では、ユーザーを識別できるデータの保持期間を大幅に短縮したことになる。ただし、すべてのデータが匿名化されるわけではない。詐欺やセキュリティ上の脅威に対処したり、法的な要求を満たすため、システム特有のデータを6カ月間は識別可能な状態で保持することも明らかにした。しかし、このデータもそれ以外の目的で使用しないと約束している。また、法的な要求があれば、さらに長い期間保持しなければならない場合もありうるとしている。
米Googleは9月に、ユーザーの検索ログデータを9カ月後に匿名化するポリシーを発表している。かつては18カ月としていたが、プライバシーに配慮し、当時としては期間を大幅に短縮したかたちだ。しかし今回のYahoo!の発表はそれよりもさらに短期間化するというものであり、しかも検索ログに限定していない。業界におけるプライバシーポリシーの新基準を設けたといえそうだ。
しかし、ユーザーデータの匿名化作業には技術的に難しい点もある。かつて米AOLが匿名化したとされるデータが流出した際に、個人が識別できてしまったという実例もある。そのため、Yahoo!の発表が現実的かどうか、今後の検証作業や業界他社の動向にも注目が集まりそうだ。
関連情報
■URL
ニュースプレスリリース(英文)
http://yhoo.client.shareholder.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=354703
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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2008/12/18 12:54
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