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「無罪判決を得て情報漏洩問題などに対応したい」金子勇氏が会見


第1回公判後、会見を行う金子勇氏
 ファイル共有ソフト「Winny」の開発者で、著作権法違反幇助の罪にあたるとして京都地裁で有罪判決を受けた金子勇氏の控訴審が19日、大阪高等裁判所で始まった。

 同日、第1回公判の閉廷後、金子勇氏と弁護団は記者会見を開催。金子氏は「京都地裁では、Winnyの技術の有用性や、私が著作権侵害蔓延目的でWinnyを公開したのではないことが認められた。しかし、京都地裁は、曖昧な基準で幇助の成立を認める判決を下しており、これは技術者が開発できなくするもの。この点を正すために控訴を申し立てた」と控訴理由を説明。「高裁では技術の価値が十分理解され、無罪判決をいただけると信じている」と語った。

 また、京都府警によってWinnyの開発中止を余儀なくされて5年が経過、京都地裁判決からも2年以上が経過しており、早急に無罪判決を得て情報漏洩問題やその他の問題に対応したいとした。

 検察側の主張については、「何のために(Winnyを)作ったのか、という部分は完全に間違った見方だ」と説明。また、一審判決からどのような思いでいたかという質問に対しては、「一刻も早くやるべきことはやるべきと思っている。情報漏洩は私が開発を止めてから出てきた問題で、悔しく思っている」として、逮捕によってウイルスや脆弱性への対応ができなくなったことが残念であると語った。

 控訴審の今後については、裁判官からWinnyについての説明が求められたため、弁護側・検察側の双方がそれぞれ個別に説明を行うことが明らかにされた。3月には検察側が、5月には弁護側がそれぞれプレゼンテーションを行う予定で、これにより次回の公判は6月頃になる見込みだという。


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( 三柳英樹 )
2009/01/19 19:00

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