米Googleや学術研究者らは28日、インターネットアプリケーションやインターネット自体のパフォーマンスを研究し、正確に測定するための研究団体「Measurement Lab(M-Lab)」を設立したと発表した。
オンラインアプリケーションがうまく動作しない場合、問題点がどこにあるのかを突き止めるのは難しいことが多い。アプリケーション自体の問題や、ユーザー側のPCの問題、そして中継するネットワークやISPの問題も考えられるからだ。M-Labは、こうした問題を正確に解決する方法を見つけ出すために設立された団体だ。
研究者たちは、世界各地に置かれたサーバーを使い、ユーザーのPCと世界各地の複数のサーバーとの間で何度もデータをやりとりし、インターネット接続の状態を診断する。また、特定のISPがBitTorrentなどのアプリケーションをブロックしたり、あるいは逆に優遇したりしていないかを確かめることができる。
M-Labの設立にはGoogleが深く関与している。2008年にGoogleのチーフインターネットエバンジェリストであるVint Cerf氏をはじめとするGoogle社員が、ブロードバンドネットワークについて研究を行うため、学術研究者たちと話し合いを持ったことが設立のきっかけになったという。こうしたことから、GoogleはM-Labの設立にあたり、米国と欧州12カ所に36のサーバーとインターネット接続を提供している。
M-Labの創立団体は、New America FoundationのOpen Technology Institute、PlanetLab Consortium、Google、そして学術研究者たちとなっている。このうちGoogleはOpen Technology Instituteのスポンサーであり、PlanetLab Consortiumのチャーターメンバーでもある。特にPlanetLab Consortiumは、M-Labにソフトウェア環境を提供し、団体の日々の運営や連絡先として機能することになっている。
現在M-Labでは3種類のツールを公開しており、ブロードバンド接続の速度やアプリケーションのパフォーマンスを測定し、診断を行うことができる。今後さらに多くのツールが用意される予定で、これらのツールには特別な知識のない人や、エキスパート向けに至るまで様々なものがある。
現時点では、限られた数のユーザーしか同時にツールを使うことができず、M-Labの設立に合わせてユーザーの利用が殺到している模様だ。
関連情報
■URL
Measurement Lab公式サイト(英文)
http://www.measurementlab.net/
Google公式ブログの該当記事(英文)
http://googleblog.blogspot.com/2009/01/introducing-measurement-lab.html
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2009/01/29 11:54
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