財団法人インターネット協会は9日、インターネット上の違法・有害情報を一般から受け付け、警察への通報やサイト管理者・プロバイダーへの削除依頼を行う際のガイドラインについて改訂案をまとめ、パブリックコメントの募集を開始した。郵送、FAX、メールで受け付ける。3月1日必着。
インターネット協会では、ネット上の違法・有害情報の通報窓口である「インターネット・ホットラインセンター」を2006年6月から運用している。通報処理の判断基準である「ホットライン運用ガイドライン」は、2008年度に改訂を行ったが、その後の法令改正や運用状況を踏まえて、2009年度の改訂案を取りまとめた。
違法情報については、いわゆる出会い系サイト規制法の改正に伴う対象を追加した。また、携帯電話不正利用防止法の改正に伴う対象を追加。新たに規制対象になったSIMカードの文言を加えた。さらに、携帯電話の無断有償譲渡・譲受を意味する文言として、「承諾を得ないで譲渡(譲受)する趣旨がうかがわれること」を加えた。
有害情報については、硫化水素ガスに関する例示を加えた。硫化水素ガスを用いた自殺が多発したことを受け、ホットラインセンターでは現在、「硫化水素ガスの製造方法を教示し、その製造を誘引等する情報」は、傷害という違法行為を誘引する情報と整理して通報処理を行っている。この点について、現行ガイドラインに例示がないため、例示にするか否かの検討を行い、改訂案に追加した。
このほか、大麻の種子の売買に関する情報について、削除をプロバイダーや電子掲示板の管理者等に求めることの可否について検討を行った。検討の結果、現行法では、大麻の栽培は違法であるが、大麻の種子の売買自体が違法とされていないことから、これを誘引する情報について、プロバイダーや掲示板の管理者に対して削除を依頼することは、有害情報の範囲が無制限に拡大されるとの疑念を抱かれ、ホットラインセンターの業務運営に支障を及ぼすことから、困難であると判断した。
関連情報
■URL
「ホットライン運用ガイドライン改訂案」に関する意見の募集について
http://www.iajapan.org/hotline/center/20090209public.html
■関連記事
・ インターネット協会、「ホットライン運用ガイドライン改訂案」で意見募集(2008/02/07)
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( 野津 誠 )
2009/02/09 19:31
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