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TBS、MS、ヤフーが合同で親子向けセキュリティワークショップ


新井アナウンサー。記事では触れていないがワークショップ冒頭に「Want to be SAFE!」のダンスの一部をみんなで踊った。その中の「ワナなのよ~ん」のポーズ
 2月は情報セキュリティ強化月間ということで、民間団体「情報セキュリティ対策推進コミュニティ」による啓発活動が行われている。この活動は2007年から開始され、2008年はイメージキャラクターに「なめ猫」を使用して話題を呼んだ。

 2009年からはTBSがメンバーに加わり、キャンペーンソング「Want to be SAFE!~情報セキュリティの歌~」を歌う「情報セキュリティ“レンジャーズ”」をプロデュースしている。

 そのTBSに加えてマイクロソフトとヤフーの3社が2月7日・8日、東京・赤坂のTBS放送センターで「知っとく! なっとく! 親子トクトク情報セキュリティ・ワークショップ」を開催した。ワークショップは2日間で合計3回開かれ、各30組(小学校4~6年生とその保護者)が参加。マイクロソフトとヤフーが保護者と子ども向けのセミナーを行った。ワークショップの司会は、「はなまるマーケット」や「Cat Chat 英語でFRIENDS DX」などで活躍中の新井麻希アナウンサーが務めた。


保護者には家庭内のルール作りを推奨

保護者は別室でセミナーを受けた
 保護者向けのセミナーではまず、マイクロソフトの小野寺匠氏(セキュリティレスポンスチームマネージャ)が「Internet Safety & Security」というタイトルで講演。小野寺氏は冒頭、2008年9月に実施したインターネットの利用に関するアンケートの結果を引き合いに出して、「子どもにインターネットを利用してほしいが、不安もある」という意識を持つ教師や保護者が多いことを紹介した。

 アンケートによれば、「児童にインターネットを利用してほしい」と考える教師は76.2%、保護者は55.6%(「積極的に利用してほしい」と「利用してほしい」の合計)に上るという。その一方で、「児童のインターネット利用に不安を感じる」と答えた教師は88.9%、保護者は67.2%と高かったとしている。

 次いで、パソコンを子どもに使わせる準備として、「リスクとモラルを教える」「家庭での利用ルールを決める」「パソコンを安全に保つ」という3点を紹介。パソコンを安全に保つための具体策としては、マイクロソフトが発行する小冊子を引用するかたちで、「Windows Updateを使う」「Windowsファイアウォールを使う」「ウイルス対策ソフトを使う」「Windows Defenderを使う」「フィッシング対策機能を使う」という5点を挙げた。また、「簡単な方法」として、「セキュリティセンターの項目が4つとも緑色になっている事を確認してほしい」とアドバイスした。

 最後に、おすすめツールとしてマイクロソフトのサイトから入手・閲覧できる大人向けのセキュリティビデオや、親子ともに学べる「マイクロソフトインターネット安全教室」を活用してほしいと呼びかけた。


インターネットの利用に関する保護者と教員の意識は「使わせたいけど、不安もある」で、特に教員側の不安が大きいようだ パソコンを子どもに使わせる準備

 保護者向けセミナーの後半では、ヤフーの佐川英美氏(サービス統括部)が「子どもたちとインターネット ~保護者だからすべきこと、保護者にしかできないこと~」というタイトルで講演を行った。

 佐川氏は、子どもたちのインターネット利用の現状として、内閣府が2007年12月に発表した「第5回情報化社会と青少年に関する意識調査報告書」から、小中高校生のインターネット利用率をパソコン・携帯電話別に紹介。高校生では、95.5%が携帯電話でのインターネット利用があるということを示した。

 続いて、多くの子どもが利用するプロフ(プロフィールサイト)では、自覚のないままに情報を世界に公開してしまい殺人事件になった事例があると紹介。その上で、ネット上で子どもの安全を守るためには、「利用状況を把握する」「インターネット利用のルールを作る」「端末は親の目の届くところに置く」「子ども向けのポータルを使わせる」「フィルタリングを使う」というチェックポイントを意識することが重要であると訴えた。

 「インターネット利用のルールを作る」という点については、「携帯電話は買い与えるのではなく貸し与えるもの」として、利用開始時にルールを作るべきだと佐川氏は力説。利用ルールを守る条件で携帯電話を貸すことによって、ルールを破った場合は使わせないように歯止めをかけるのが目的だという。フィルタリングの設定も、単に機械的に導入するのではなく、親と子が話し合ってお互いが納得する設定にしてほしいと呼びかけた。

 また、「端末は親の目の届くところに置く」ことについては、「携帯電話の充電をリビングで行うルールを作れば、子どもが寝床でメールやゲームに夢中になって使うことが防げるだけでなく、睡眠不足による体調不良も予防できる」とそのメリットを話した。


ヤフーは内閣府の調査データから子どものインターネット利用の現状を説明した。今回のワークショップは小学生の保護者が対象なので、初めて携帯を渡す時にルール作りをするのはよいチャンスであるという 家庭で注意するポイントは、まず利用状況の把握から始まり、自室で携帯電話の充電をさせないことや対話によってルール作りやフィルタリングを行うことがよいという

子どもにはクイズで理解を深めさせる

マイクロソフトはインターネット安全教室のCD-ROM版を使い、パソコン上で質問に答えるクイズを実施
 子供向けのセミナーは「マナーを“まなーぶ"!? クイズでおぼえるネチケット」と題して、2グループに分けてマイクロソフトとヤフーの講師が交互に教える形式で行われた。

 マイクロソフトは子ども1人に1台のノートパソコンを用意して、インターネットの安全なルールをクイズ形式で挑戦させる「こぶたのインターネット安全クイズ」を実施。このクイズは、同社のセキュリティ啓発コンテンツ「インターネット安全教室」のCD-ROM版を使用しており、絵本やゲーム感覚で遊びながらインターネットの危険を学ばせるものだ。

 なお、クイズに全問正解した子どもにはパスワードが渡され、これと引き替えにクイズの修了証がもらえるようになっていた。情報セキュリティに関心の高い保護者がいるためか、子どもの回答は正解が多く、講師が「わざと間違えてみよう」と“助言”するほどだった。


各人にノートパソコンが1台用意される。正解が続出しており、講師が「わざと間違えてみよう」というほどだった 新井アナウンサー自らもクイズに挑戦し、修了証をもらっていた

 また、ヤフーは「ネットのマナー 5つのルールクイズ」という内容で、インターネットを楽しむ時のルールとして「知らない人に住所や名前を教えない」「知らないサイトには注意する」「相手を思いやる」「情報の発信には責任を持つ」「使いすぎに注意する」の5つを説明し、その後にクイズとして、先のルール説明の空欄を埋めるテストを行った。同様のコンテンツはYahoo!きっず内に用意されている。

 今回のワークショップは先着順で参加者を募集したということもあり、保護者の情報セキュリティ関心度が比較的高いように思えた。ある保護者に話を伺ってみたところ、「子どもに持たせている携帯電話はインターネットが使えないようになっており、電話番号も(友達を含め)他人に知らせないように教えている。今回のセミナーではフィルタリングに関して話を伺ったので、今後の参考にしたい」と話していた。


関連情報

URL
  ワークショップの概要
  http://www.tbs.co.jp/kids/workshop/security_ws.html

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( 小林哲雄 )
2009/02/09 20:03

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