総務省は10日、2008年4月から開催している「電気通信サービス利用者懇談会」の報告書を公表した。
総務省では、2010年までに実施すべき施策などをまとめた「新競争プログラム2010」を踏まえ、2008年4月から「電気通信サービス利用者懇談会」を開催。電気通信分野における市場環境や利用環境の変化に対応した利用者利益の確保・向上に向けた基本的なルールのあり方や具体的施策について検討を行ってきた。
報告書では、電気通信サービスへの事業者の参入が緩和され、競争ルールが事前規制から事後規制への移行が図られている一方、料金体系やサービスの複雑化により利用者の不利益も発生しているとして、利用者保護の観点から通信事業者や事業者団体、行政が取るべき対応を提言としてまとめている。
報告書では、通信サービスの広告について、利用者が誤認するおそれのある広告表示に関する問題が相次いで発生していると指摘。事業者団体が設置した「電気通信サービス向上推進協議会」において、広告表示に関する自主基準およびガイドラインの見直し、再発防止のための体制のあり方などを検討・実施していくことを求めている。また、通信事業者に対しては、利用者の視点を取り入れつつ、わかりやすい料金体系の策定に努めることとしている。
通信サービスの契約時においては、通信事業者および契約代理店に対して、重要事項を1枚から数枚程度にまとめた書面を作成して交付するなど、利用者にとってわかりやすい説明を心がけることを求めている。また、総務省に対しては、契約解除の手続きや帯域制御についての説明などを契約時の説明事項として追加するため、関連施行規則やガイドラインの改訂を求めている。
このほか、報告書では提言として、利用者が契約を解除する際の窓口の整備や、解除条件の明確化、苦情・相談体制の整備、裁判外紛争処理(ADR)機関の設置などを求めている。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.soumu.go.jp/s-news/2009/090210_3.html
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( 三柳英樹 )
2009/02/10 20:35
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