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一般医薬品の通販規制「反対」が97%、厚労省のパブコメ結果


 厚生労働省が行った「薬事法施行規則等の一部を改正する省令案」についてのパブリックコメントで、一般医薬品の通信販売に関して寄せられた意見のうち97%が反対意見だったことがわかった。健康食品や医薬品の通販サイトを運営するケンコーコムが12日、明らかにした。

 省令は、改正薬事法が6月1日に完全施行されるのを受けて制定されたもの。一般医薬品をリスクの高い順に「第1類」「第2類」「第3類」と分類した上、インターネットなどを含む通信販売については「第3類」のみに制限する内容が盛り込まれている。このことから、ケンコーコムほか、通信販売の業界団体、インターネットのショッピングモールを運営する楽天、ヤフーらが反対運動を展開しているが、省令は2月6日に公布された。

 パブリックコメントは厚労省が昨年秋に実施、計3430件の意見が寄せられた。省令の公布と同じ2月6日に公表されたパブリックコメントの結果はPDFファイルで公開されており、92ページに及ぶ。さまざまな項目についての意見が寄せられているが、このうち「郵便その他の方法による医薬品の販売等」についての意見が22ページを占めている。

 これによると、賛成および反対意見が計2353件、その他の意見が23件だった。主な賛成意見としては「郵便等販売は、明確に禁止すべきである」「郵便等販売は、第3類医薬品に限って認めるべきである」というものが紹介されている。一方、反対意見としては「販売可能な一般用医薬品の範囲を第1類医薬品及び第2類医薬品についても認めるべきである」「販売可能な一般用医薬品の範囲を第2類医薬品についても認めるべきである」「郵便等販売について、一定のルールの下で認めるべきである」というものを挙げているが、賛成・反対意見の件数の内訳は明記していない。

 これについてケンコーコムが10日、厚労省に電話で問い合わせたところ、賛成意見が50件、反対意見が2303件との回答を得たという。

 ケンコーコムでは、「これは厚労省が、国民から寄せられた意見のうち97%におよぶ郵便等販売の規制に『反対』する意見を一切反映することなく、省令案とほぼ同一内容の省令を公布したことを示している」とし、大変遺憾に思うとコメントしている。

 なお、厚労省が同省令を公布する一方で、舛添要一厚労大臣は、この問題について議論するための大臣直轄の検討会を開催する意向を示している。しかしケンコーコムによれば、この「医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会」の構成員は、同省令に関わる過去の検討会の構成員で大多数を占められているという。

 ケンコーコムでは、「今回の検討会の場においては、パブリックコメントで寄せられ、かつ省令では一切省みられることのなかった2303件、97%におよぶ国民からの規制に反対する意見を各委員が重く受け止め、その意見を充分に反映させた、真に国民的な議論がなされることを、強く望む」と訴えている。


関連情報

URL
  ケンコーコムのニュースリリース
  http://www.kenko.com/company/pr/archives/2009/02/97.html
  パブリックコメントの結果
  http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?ANKEN_TYPE=3&CLASSNAME=Pcm1090&KID=495080137&OBJCD=100495&GROUP=

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( 永沢 茂 )
2009/02/13 17:24

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