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Googleの大規模障害で利益を得たのは誰か? 仏調査会社が分析


 日本時間の1月31日から2月1日にかけて発生したGoogleの大規模障害に関する詳細な調査結果を、仏AT Internet Solutionsの「XiTi Monitor」が19日に発表した。同社は既に2月2日にこの障害についての速報を伝えていたが、今回の調査結果はより詳細なものとなる。この大規模障害によって生じたインターネットトラフィックの変化や、利益を得たのは誰かを突き止めている。

 まずトラフィック分析だが、この障害によって全世界のインターネットトラフィックは平均で21.3%減少し、最も減少した日本時間1月31日23時43分の時点では29.3%減少していた。Googleへのトラフィックは平均で71.4%減少し、ピーク時の同2月1日0時4分には91.2%減少していた。その後、障害が解消された直後にはわずかながらトラフィックの増加が認められた。この増加は、同0時21分から0時27分の間のわずかな時間にとどまり、その後、通常通りに戻ったという。

 障害の間、人々はどのようにインターネットを利用したのだろうか。分析によると、他のサーチエンジンを利用したり、直接URLを入力したり、お気に入りから直接サイトを訪問する様子が見られたという。

 他のサーチエンジンの利用傾向をみると、障害発生前の平均トラフィックを10とした時に、Googleの障害のピーク時には23にまで増加していた。また、URLの直接入力やお気に入りからのアクセスは、障害発生前の平均124に対して、障害ピーク時には139にまで増加していたという。

 分析の結果、Googleの障害によって希望のサイトにアクセスできなくなったユーザーが用いた方法は、お気に入りから訪問するか直接URLを入力する方法が16.2%、他のサーチエンジンの利用が13.9%と推定される。残りの約70%に関しては、単に検索をあきらめたと推定される。

 他のサーチエンジンを利用したユーザーに関して言えば、そのうちの41.7%がYahoo!で占めており、続いてMicrosoftのLive Searchが24.7%、France Telecomグループ傘下のポータルサイトOrangeが13%だったとしている。

 また、Google障害の間、検索結果に表示されるページにはアクセスできなかったものの、Googleスポンサーリンクは依然として機能していたため、Google自身も利益を得たことを調査では指摘している。

 AT Internet Solutionsでは、インターネット利用者が他の検索方法を思い出せないくらいGoogleが深く心に根ざしている状況について触れ、Googleの独占に疑問を投げかけている。


関連情報

URL
  ニュースリリース(英文)
  http://www.atinternet-institute.com/en-us/focus-on-current-events/google-breaks-down-on-the-31st-of-january-2009-2/index-1-2-1-159.html

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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2009/02/20 11:17

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