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MS-DOSのバッチ風スクリプトでWeb地図を動かす「うごけ!道案内」

ヤフーの実験サイト「LatLongLab」で新サービス公開

 ヤフーは23日、地図や位置情報の実験サイト「LatLongLab」(旧ALPSLAB)において、地図のスクロールや縮尺変更などの操作をスクリプトとして記録し、アニメ―ション地図としてサイト上で再生できるサービス「うごけ!道案内」を公開した。その名称の通り、動きのある道案内図を作成できるほか、工夫しだいでゲームなどを作ることも可能だ。利用は無料だが、作成にはYahoo! JAPAN IDによるログインが必要。


道案内図だけでなく、ゲームやクイズにも応用可能

「アドバンスモード」による地図作成画面

東京ミッドタウンにあるヤフー本社への動的道案内の例。貼りつけ用コードでは、表示するサイズを小(縦320×横320ピクセル)、大(縦480×横640ピクセル)の2種類から選べる
 アニメ地図の作成には、「イージーモード」と「アドバンスモード」の2つのモードが用意されている。「イージーモード」では、ページ上に表示されている地図をマウスドラッグしたり、マウスホイールなどで拡大・縮小する操作をそのまま記録するモードだ。「記録開始」ボタンを押してから「記録停止」ボタンを押すまでを録画する感覚で記録し、再生ボタンで再生できる。「Google Earth 5.0」に搭載された「ツアー機能」によく似ており、その2D地図版とでも言えそうな機能だが、「うごけ!道案内」が面白いのは、「アドバンスモード」を使うことで、スクリプトを細かく作り込める点だ。

 スクリプトで使えるコマンドは、地図の中心位置に吹き出しでテキストメッセージを表示する「message」、ユーザーに文字列を入力させる「prompt」、選択肢を提示してユーザーに選ばせる「ask」、指定したラベル行に移動する「goto」、指定した変数で分岐する「switch」など、全部で14種類。ヤフーによると、MS-DOSのバッチ処理と同程度のコマンドを用意したとしており、それに地図特有のコマンドをいくつか追加した。具体的には、緯度・経度を指定することで地図を表示する「moveto」、地図の縮尺を切り替える「layerto」などだ。このほか、テキストメッセージとともに、Flickrにアップロードしている写真を表示する「messagewp」もある。

 こうしたコマンドを駆使することで、道案内の地図を表示する際に、閲覧者の交通手段に応じて表示する経路を切り替えるような仕掛けを実現できる。例えば、東京ミッドタウンにあるヤフー本社への道案内を再生すると、最初に「地下鉄をご利用の場合」「バスをご利用の場合」という選択肢が表れ、選んだ方法によってその後の地図表示が分岐するようになっている。バスを選ぶと最寄りのバス停まで地図がスクロールし、そこから案内がスタート。東京ミッドタウンまでたどり着くと、「そのまま正面玄関までおこし下さい」といったメッセージが表示される仕組みだ。施設などへのアクセス手段を紹介する方法として、「車でお越しの場合」「電車でお越しの場合」といったテキストでの説明がよく使われるが、これを動的な地図で表現できるとしている。

 作成できるのは道案内だけでなく、昔懐かしいアドベンチャーゲームにも応用できるという。マップ上でテキストによる選択肢を提示し、プレイヤーに選択させることでストーリーを展開していくゲームを本物の地図上で展開できる。地図ならではのゲームとしては、地図上の難読地名を表示して読み方を当てるクイズや、表示した地図がどこの都道府県か当てるクイズなどへの活用例もある。このほか、旅行で訪れた場所や人生の節目のスポットをめぐりながら、Flickrの写真とともに紹介するライフログ的な使い方も考えられるとしてる。

 「イージーモード」と「アドバンスモード」は途中で切り替え可能なため、「イージーモード」で大まかな流れを作成し、「アドバンスモード」に切り替えてスクリプトを編集するといった使い方も可能だ。


昔懐かしいアドベンチャーゲームとしての活用例「東山クエスト」 表示した地図の都道府県を当てる「ご当地クイズ」としての活用例

きっかけは「コマンドラインで動かす地図」

投稿された作品の一覧ページ
 こうして作成したアニメーション地図は、タイトルやコメント、タグなどを設定し、「LatLongLab」に用意されるユーザーごとの「マイページ」に保存しておくことが可能だ。「公開」のチェックボックスを入れておけば、「うごけ!道案内」の作品一覧に投稿され、広く紹介できる。また、貼り付け用コードも生成されるため、自分のブログなどに表示することも可能だ。投稿されているアニメーション地図はスクリプトも参照できるため、既存の作品をベースに新たなアニメーション地図を作る際にも活用できる。

 なお、完成したアニメーション地図はすべてインターネットへ公開される設定となっており、「うごけ!道案内」の一覧に投稿されていなくても、固有のURLがわかれば誰でもアクセスできる。URLをブログなどで紹介すると検索エンジンにインデックスされる可能性もあり、個人情報などを表示しないよう注意が必要だ。

 ヤフーによると、「うごけ!道案内」開発のきっかけは、「地図の下にDOSプロンプトが表れて、コマンドラインで地図を動かしたら、めんどくさくて面白いのではないか? あえてGUIを外したらどうなるのか?」という発想だったという。また、旧ALPSLABでは、動画と同期してルートに沿って地図がスクロールする「ALPSLAB video」という機能を提供していたが、観光スポットの紹介などに利用する場合、表示する地点をジャンプできない点がネックだったことも背景にあるとしている。「うごけ!道案内」では、ユーザーからの反響を見ながら、航空写真や動画の表示への対応も検討していくという。


関連情報

URL
  うごけ!道案内
  http://latlonglab.yahoo.co.jp/macro/

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( 永沢 茂 )
2009/02/23 15:47

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