動画共有サイトのYouTubeは9日、英国でのミュージックビデオの視聴を遮断すると発表した。英国の著作権料徴収団体のPerforming Rights Society(PRS)for Musicとの間で、ラインセンス契約を更改するにあたっての条件で合意に達しなかったという。
YouTubeでは、パートナーとなっているレコード会社から提供されたミュージックビデオを英国で配信するにあたり、PRS for Musicからライセンスを得ていたが、期間が満了。しかし、契約を更改するにあたって、従来の何倍ものライセンス料を提示されたとしており、YouTubeでは「再生するたびにかなりの額の損失が発生する」としている。また、ラインセンスにどの楽曲が含まれるのかをPRS for Musicが明示しようとしないこともネックになっていると説明している。
YouTubeでは、PRS for Musicとの間で現在も協議を続けているとしているが、合意に至るまでは、パートナーから提供されたミュージックビデオの視聴を英国において遮断せざるをえないという。
YouTubeによると、ミュージックビデオの著作権は複雑で、レコード会社や音楽出版社など複数の権利者が存在し、著作権料徴収団体にライセンス契約や使用料の徴収が委託されることも多いという。YouTubeでは、今回の問題はレコード会社との間に起こったものではなく、ほとんどのレコード会社とは強いパートナー関係にあると説明している。
一方、PRS for MusicではYouTubeのとった措置を遺憾だとするコメントを発表した。この措置が、両者の交渉の途中段階において同団体への協議なしにとられたものであり、PRS for Musicが要求したものではないとして、YouTube側に再考を求めている。
関連情報
■URL
YouTube公式ブログの該当記事(英文)
http://www.youtube.com/blog?entry=oT85lN5Dkmo
PRS for Music(英文)
http://www.prsformusic.com/
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・ YouTube、英国の音楽著作権団体とライセンス契約を締結(2007/08/31)
( 永沢 茂 )
2009/03/10 17:45
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