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朝日、講談社、小学館が無料辞書サイト「確かな情報のみ掲載」


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左から、講談社の吉羽治氏、ECナビの宇佐見進典氏、朝日新聞社の大西弘美氏、朝日新聞出版の篠崎充氏、小学館の小室登志和氏
 朝日新聞社、朝日新聞出版、講談社、小学館、ECナビの5社は、用語解説サイト「kotobank(コトバンク)」を開設した。「デジタル大辞泉」や「知恵蔵2009」など44辞書、約43万語の用語解説を無料で検索・閲覧できる。用語解説に関連するキーワードやニュース、Web検索結果なども閲覧可能だ。

 朝日新聞社は「朝日新聞の時事キーワード」や「ASCII.jpデジタル用語辞典」など38辞書、朝日新聞出版は「知恵蔵2009」や「朝日日本歴史人物事典」など4辞書、講談社は「デジタル版日本人名大辞典+plus」、小学館は「デジタル大辞泉」を提供する。1語に対して複数の解説がある場合は、すべての用語解説を1ページに掲載する。サイトの運営はECナビが手がける。検索連動型広告による収益が主体で、2009年度で売上高1億円を目指す。

 朝日新聞社デジタルメディア本部長の大西弘美氏は、ネット上で用語情報を得られる既存サービスについて、具体名こそ明かさなかったが、「玉石混交の状態で、情報の信頼性に不安がある」と指摘。調査や正式な文書の参考とするには支障があるケースも少なくないとした。これに対してコトバンクでは、「確かな著者、編者、発行元による用語解説のみ」を掲載し、「信頼性の高い日本最大の無料用語解説サイト」を目指すと意気込みを語った。なお、用語の更新は随時行っていくという。

 朝日新聞社では、紙媒体の現代用語事典「知恵蔵」を発行していたが、部数減少に伴い2006年に休刊。その後は、「知恵蔵」に掲載された用語を無料で検索できる事典サイト「みんなの知恵蔵」としてサービスを継続していた。朝日新聞出版開発統括の篠崎充氏は、「用語を調べる需要はいつの時代も変わらない。コトバンクはこの需要に信頼性を持って応えられるだけでなく、ビジネスとしても成立しうる優れた仕組みを持っている。他社もこのプラットフォームに参画してほしい」と呼びかけた。

 講談社デジタル事業局局長の吉羽治氏によれば、同社が辞書データをネット上で無料公開するのは初めて。「デジタル版日本人名大辞典+plus」は紙媒体でも販売しているが、「今後はより多くのユーザーにデータを提供して収益を得るモデルに変わっていくと思う」と述べ、無料の広告モデルに自信を示した。「新聞と出版という紙媒体連合が実現したことが大きな意義。これまでは紙媒体の中で熾烈な戦いをしてきたが、コトバンクのような共通のプラットフォームでコンテンツの優劣を競い合う時代に入ってきているのではないか」とコメントした。


コトバンクに収録されている用語の内訳 コトバンクのプラットフォーム

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URL
  コトバンク
  http://kotobank.jp/

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( 増田 覚 )
2009/04/22 15:33

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