英Ipsos Groupのメディア調査部門であるIpsos MediaCTは6日、違法に公開されている音楽や動画をダウンロードしているユーザーは、同時に合法的な音楽や動画の熱心な購入者でもあるとの調査結果を発表した。
調査は1月から3月まで、欧米、ブラジル、ロシア、中国、日本、インド、UAEの計12カ国・6500人を対象にインターネットを通じて行われた。その結果、44%が音楽を、38%が動画を、BitTorrentなど「非公式」な方法で毎月ダウンロードしていた。
しかし、こうした非公式サイトのユーザーは、音楽や動画をインターネットでダウンロードしたり、ストリーミング視聴することに対して対価を支払う傾向が全体平均より高いことも判明した。
非公式サイトのユーザーの94%は、iTunes StoreやNapsterなどの合法サイトも同時に使用しているのに対し、ユーザー全体平均では68%にとどまった。また、ストリーミングやダウンロードのために対価を支払うことに関しては、全体平均が55%だったのに対し、非公式サイトのユーザーでは69%だった。さらにCD購入に関しては、全体平均が44%に対し、非公式サイトのユーザーは62%に上った。
動画でも同じ傾向が見られた。公式サイトの利用率では、非公式サイトのユーザーの90%に対して全体平均は53%、ストリーミングやダウンロード購入に関しては、非公式サイトのユーザーの82%に対して全体平均が55%、DVD購入に関しては、非公式サイトのユーザーの67%に対して全体平均が44%と、いずれも非公式サイトのユーザーの方が利用率が高い傾向が見られた。
また、テレビやラジオ、映画宣伝なども、新しいアーティストやテレビ番組、映画を発見する上で依然として重要な役割を果たしていることが確認されている。
Ipsosでは、違法サイトを含む非公式サイトが、音楽購入に重要な役割を果たしていると指摘。日本と米国の3分の1のユーザーが、もし非公式サイトがなければ、いくつかの音楽コンテンツに関しては「多分聞かずに終わっただろう」と回答していた。
Ipsos MediaCTのCEOであるRichard Silman氏は「今日の人々は、昔よりも多様な方法でコンテンツを見つけたり消費したりしている。このことは音楽、動画、ゲーム業界ではより顕著だ」とコメントしている。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.ipsos-mori.com/content/news/pirates-are-prime-prospects-for-music-and-video.ashx
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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2009/05/07 11:52
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