米Amazon.comは6日、電子ブックリーダー「Kindle」の大画面版となる「Kindle DX」を発表した。489ドルで夏ごろに発売予定で、現在、予約を受け付け中だ。教科書や新聞を読むのに適しているという。
● ディスプレイを9.7インチに拡大、PDFリーダーも内蔵
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Kindle DX
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「Kindle DX」は、電子インクディスプレイのサイズが従来の6インチから9.7インチへと拡大し、面積比では2.5倍になった。解像度は1200×824ピクセルで、16階調のグレースケールとなっている。本体サイズは縦10.4インチ(約264mm)×横7.2インチ(約183mm)×厚さ0.38インチ(約9.7mm)、重さは18.9オンス(約536グラム)。
メモリは、現行のKindleの2GBから倍増して4GBになった。このうちユーザーが使用できる容量は3.3GBで、ここに約3500冊の書籍を保存できる。現行のKindleでは1500冊だ。
さらにPDFリーダーを新たに内蔵した。これにより、論文や地図、グラフ、フライトマニュアル、楽譜などを直接「Kindle DX」で読むことができる。PDFファイルは「Kindle DX」のメールアドレスに送信するか、USB接続で読み込むことができる。
「Kindle DX」を手に持つ角度を変えることによって、ディスプレイ表示を自動的に縦長(ポートレート)から横長(ランドスケープ)に変えることができる。9.7インチの大画面と内蔵PDFリーダーの利点を最大限に生かして、地図やグラフ、表、画像、Webページを表示できるとしている。
「Kindle DX」では、現行のKindleと同じく、「Kindle Store」の書籍を購入でき、3G携帯や無線LANスポットでの接続にも対応している。
● 米大手教科書出版社3社が「Kindle Store」で教科書販売へ
「Kindle DX」の発表に合わせ、夏ごろから米国の大手教科書出版社がKindle向けに教科書を発売することも明らかになった。これに参加しているのは、Cengage Learning、Pearson、Wileyで、これら3社で全米における高等教育教科書市場の6割以上を占めるという。これらの出版社が提供するAddison-Wesley、Longman & Prentice Hall、Wiley Higher Educationなどのブランドによる教科書を「Kindle Store」で購入し、「Kindle DX」で読めるようになる。
また、Arizona State Universityなど5つの大学で、「Kindle DX」の大規模なトライアルを実施することになった。これらの大学は、数百台の「Kindle DX」を学生に配布するとしている。
さらに、The New York Times CompanyとWachington Post Companyの2社が「Kindle DX」向けのパイロットプログラムを開始する。この2社が保有する「The New York Times」「The Boston Globe」「The Washington Post」の3紙は、新聞を配布していない地域限定で、長期契約者に対して「Kindle DX」向けに低価格版の購読サービスを提供する。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml?c=176060&p=irol-newsArticle&ID=1285140&highlight=
「Kindle DX」予約ページ(英文)
http://www.amazon.com/Kindle-DX-Amazons-Wireless-Generation/dp/B0015TCML0/ref=amb_link_84306891_4
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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2009/05/07 13:20
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