トレンドマイクロは、新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)に便乗したインターネット上の攻撃事例を複数確認したとして注意喚起した。4月30日、同社の公式ブログで発表した。
攻撃事例の1つとしては、国立感染症研究所を詐称するメールが出回っていると指摘。このメールは、送信者が「国立感染症研究所」となっているが、送信元はYahoo!メールのアドレスが使われている。件名は「豚インフルエンザに注意!」と記載され、「豚インフルエンザに関する知識.zip」などの添付ファイルが含まれているという。同研究所では、添付ファイルを開くとPCへの不正侵入やシステム破壊のおそれがあるとして、添付ファイルを開かずにメールごと削除してほしいと呼びかけている。
こうした詐称メールの事例については他からも寄せられている。トレンドマイクロによれば、他の事例では「.zip」ファイルだけでなく、「.pdf」(「TROJ_PIDIEF.TY」や「TROJ_PIDIEF.UA」など)、「.doc」などの文書ファイルを装ったウイルスの存在も確認しているという。
また、医薬品販売業者による英文のスパムメールも増えているという。トレンドマイクロが確認した手口では、「世界中で豚インフルエンザ発生!(Swine flu worldwide!)」、「豚インフルエンザアウトブレーク!(Swine flu outbreak!)」といった件名が使われていたほか、「マドンナが豚インフルエンザに感染(Madonna caught swine flu!)」といったゴシップネタを用意してメールを開かせようとしているという。
トレンドマイクロでは、「『豚インフルエンザ』のような騒動がサイバー空間を賑わしたのは今回が初めてではない」と指摘。2003年には「新型肺炎SARS」、2006年には「H5N1型鳥インフルエンザウイルス」に便乗したスパムメールや不正プログラム、医薬品の違法なオンライン販売などの被害が確認されているとしている。
関連情報
■URL
トレンドマイクロ公式ブログ
http://blog.trendmicro.co.jp/archives/2819
国立感染症研究所のお知らせ
http://www.nih.go.jp/niid/misc/warning090428.html
関連記事:サブジェクト欄や添付ファイル名に「SARS」をかたるウイルスが出現
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0521/sars.htm
( 増田 覚 )
2009/05/07 20:00
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