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ウイルス感染率が再び増加、USBメモリ経由の感染拡大で


コンピュータウイルス遭遇(感染または発見)経験の推移
 情報処理推進機構(IPA)は19日、「2008年 国内における情報セキュリティ事象被害状況調査」報告書を公開した。全国の企業1万社と自治体1000団体を対象に、郵送でアンケートを実施。企業1907社と自治体410団体から回答を得た。

 2008年に一度でもウイルスに感染した事例があったという回答は、前年の12.4%から15.8%に増加。感染率は2002年の35.4%をピークに横ばい・減少を続けていたが、2008年では再び増加した。

 その要因についてIPAでは、USBメモリ経由で感染する「W32/Autorun」の影響が大きいと分析している。2008年に感染したウイルスで最も多かったのは、この「W32/Autorun」で、全体の39.8%を占めた。前年は6件(2.1%程度)だった。2位は「W32/Netsky」で6.8%。前年の20.5%から減少した。

 また、想定されるウイルスの感染経路では、「外部媒体、持ち込みクライアント(パソコン)が40.9%で最多。この数値は前年の23.7%から倍増している。一方、前年は26.5%で最多だった「インターネット接続(ホームページ閲覧など)」は20.2%に減少した。このことからもIPAでは、USBメモリ経由のウイルス感染が増えたと推測している。

 ファイル共有ソフトによる情報漏えい被害のあった企業・自治体は、前年の2.2%(51件)から1.4%(32件)に減少。この点についてIPAでは、「Winnyなどのファイル共有ソフトを通じた情報漏えいトラブルの事例が社会的に大きく報道されたことで、ファイル共有ソフトの使用によるリスクや対策などの情報が認知され、適切な対策が進展したため」としている。

 外部に公開するサーバーに対するセキュリティパッチについては、従業員300人以上の企業の14.3%、300人未満の企業の15.5%で「ほとんど適用していない」と回答。また、内部で利用しているローカルサーバーは、300人以上の24.3%、300人未満の20.3%で「ほとんど適用していない」と答えた。この状況は、2007年と同じ水準だという。

 また、翌年のセキュリティ投資額の見込みを「増額」と答えた企業は、従業員300人以上で前年の35.5%から22.7%、300人未満では24.8%から16.6%に減少。一方、「減額」と答えた企業は、300人以上で前年の7.0%から14.9%、300人未満で7.2%から11.0%に増え、2009年は大手企業を中心にセキュリティ投資を抑制すると見ている。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.ipa.go.jp/security/fy20/reports/isec-survey/index.html

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( 増田 覚 )
2009/05/20 12:30

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