インタビュー

「IPv6は知っている」から「IPv6でサイトを公開できた」へ。設計から公開まで自分の手で体験する「AWS IPv6対応サイト構築ハンズオン」開催

オンラインで受講可能~「Internet Week 2026」で

 自社のウェブサイトのIPv6対応に興味はあるけれど、何から始めればよいか分からない。AWSで試してみたいけれど、一人で設定を進められるか不安――そんな人に向けた「Internet Week 2026」のハンズオンプログラムが「H1 AWS IPv6対応サイト構築ハンズオン -クラウド上のIP設計と管理-」(11月19日 13:00~17:00 オンライン開催)だ。

 IPアドレスの設計から、IPv4・IPv6の両方でアクセスできるウェブサイトの公開、ドメイン名でアクセスするための設定まで、一通りを自分の手で体験できる。手順に沿って進め、つまずいた際にはサポート講師に相談できるため、AWSの操作に不慣れな方でも取り組める。

 企画担当の中川あきら氏(一般財団法人インターネット協会(IAjapan)/JPOPF運営チーム(JPOPF-ST)/株式会社JPIX)と、講師の菊地信明氏(アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社)に、同ハンズオンプログラムの内容を聞いた。

菊地信明氏(アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社)

「IPv6はまだ先」と思っていませんか?まずは実際に触れてみよう

──このプログラムを企画した背景や狙いを教えてください。

中川氏:「IPv6に対応しなければいけないのは分かっているけれど、実際に手を動かしたことはない」という方のためのハンズオンです。

 昨今、多くの組織にとってIPv6対応は避けて通れないテーマになっています。

 本ハンズオンでは、IPv6アドレスの設計からウェブサイトの公開、名前解決までを、参加者ご自身の手で体験していただきます。クラウド上のIP設計・管理やウェブサイト構築を「知っている」から「やってみた」へ変えることを狙っています。

菊地氏:IPv4のNATは、利用料だけでなく、アドレスの重複や不足への対策、アドレス変換によって障害時の原因切り分けが難しくなることなど、「見えないコスト」になっています。IPv6を使えば、こうした課題に対応しながら、将来システムを広げる際のアドレス不足にも備えることができます。

 一方で、「IPv6はまだ先かな」と感じている方が多いのも事実です。ただ、実際に企業のご担当者の方と整理してみると、大きな壁ではなく、少しの準備や手順の確認で始められるケースも少なくありません。

 まずは実際に触れてみて、「IPv6は思っていたほど難しくない」と感じていただき、そこからさまざまな活用のアイデアを考えるきっかけにしていただけることを意識して準備します。

※NAT/NAPTとは:https://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/nat_napt.html

──オンラインでのハンズオンに不安がある人もいるのでは?

菊地氏:つまずいた際には、サポート講師にZoomの個別の部屋(ブレイクアウトルーム)で対応していただきますので、クラウドに慣れていない方も安心してご参加ください。

──ウェブサーバー構築以前の基本設定を勉強しておく必要がありますか?

菊地氏:ウェブ構築に直接関係しない設定は、こちらで事前に用意したものをシステムに流し込みます。ウェブ構築も手順に沿って進められるようにしていますので、クラウドに不慣れな方でもウェブ構築に集中していただけます。

 前提となる知識は、Linuxのコマンド操作とルーティングの基礎程度です。

──講演者を選ぶ際に、どのような点を重視されましたか?

中川氏:RFCに準拠したルーティング等の技術は汎用的な技術として学べます。一方、パブリッククラウドやSASEなどは、事業者ごとに基本設計や実装が異なります。実際に構築するには、それぞれの技術や仕様を学ぶ必要があります。

 今回は昨年と同様に対象クラウドをAWSに絞り、AWSの「中の人」にお声掛けしました。普段なかなか聞けない、構築現場で役立つTipsも交えてお話しいただけるのは貴重な機会です。

IPv6は「いつかやるもの」ではなく「今すぐにやれる」ほど身近に

──このプログラムの中で、特に注目してほしいポイント・見どころは?

菊地氏:IPアドレスの設計から始めて、IPv4とIPv6の両方で使えるウェブサイトを公開し、DNSで名前を引けるようにするまで、一通りを自分の手で組み立てられる点です。設定がうまくいかないときに、AIを使って原因を探る体験も入れています。資料を読むだけでは分かりにくい「IPv6にするとどこで何が変わるのか」を、実際の画面とコマンドで確かめていただけます。

──今年のInternet Weekのテーマ「AI時代を生き抜く術を学べ」にはどのようにリンクしていますか?

中川氏:本プログラムはAIそのものを扱うものではありませんが、ハンズオン中に不具合が起きた際には、AIを活用したトラブルシュートを体験していただきます。

──このプログラムは、どんな方に特にお勧めですか?

菊地氏:ネットワークやインフラの構築・運用を担当している方、これからクラウドを使い始める方、セキュリティを担当している方にお勧めです。

 オンプレミスでIPv6の経験がある方には、クラウドでは何が同じで何が違うのかを、実際に比べながら体験していただけます。

──このセッションを通じて、どんな変化や対話が生まれるといいと思いますか?

中川氏:「IPv6対応の必要性は分かっている」という状態から、「実際に構築して、IPv6で接続できることを自分で確認した」という状態へ、一歩進んでいただきたいと考えています。

 そのうえで、「自分の組織のIPv6対応を、どこから始めるか」を具体的に考えるきっかけにしていただければと思います。

──最後に、参加を検討している方へのメッセージをお願いします。

菊地氏:IPv6はもう「いつかやるもの」ではなく、「今すぐにやれる」ほど身近になってきています。この機会に、ぜひ一度、手を動かして試してみてください。

中川氏:「IPv6対応は必要だと分かっているけれど、まだ手を動かせていない」という方にこそ、体験していただきたいハンズオンです。

 「IPv6を知っている」から「IPv6で実際にサイトを構築した」へ! ぜひ、この機会に一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。

──ありがとうございました。

プログラム案内

「Internet Week」は、一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)が主催する、インターネットの技術や最新動向を語るイベント。30回記念となる今年は「AI時代を生き抜く術を学べ」をテーマに開催される。

会期前半の11月19日・20日・23日が「オンラインWeek」としてオンライン開催、後半の11月25日・26日・27日が「カンファレンスWeek」としてKFC Hall & Rooms(東京都墨田区横網1-6-1)でのリアル会場開催となる。基本料金1万6500円で、ハンズオンプログラム(1プログラムあたりオプション料金3300円)と懇親会(参加費5500円)を除く全てのセッションに参加可能。同イベントの公式サイトで参加申し込みを受け付けている。

なお、30歳以下の学生は基本料金が無料。また、初めてInternet Weekに参加する人を対象に、オンラインWeekの全セッションとカンファレンスWeekの1つのセッションに参加できるお試し料金(4950円)も設定されている。

INTERNET Watchでこれまで掲載したInternet Week関連記事のバックナンバー(2009年以降)は、下記ページにまとめている。