ニュース

RS-232C機器をBluetooth接続できるアダプター「RS-BT62シリーズ」、ラトックシステムが発売

データビットは7bitにも対応、旧式のシリアル機器にも接続可能

Bluetooth RS-232C 変換アダプター SPP Profileベーシックモデル(RS-BT62)

 ラトックシステム株式会社は、RS-232C機器をBluetoothで接続できるアダプター「RS-BT62シリーズ」の4製品を6月下旬から出荷すると発表した。

 2013年に発売した「REX-BT60シリーズ」の後継モデル。データビットは従来の8bitに加えて7bitに対応し、旧式のシリアル機器にも接続できるようにした。また、RS-232C機器からの受電はこれまで5Vだったが、5V~12Vに対応。データの送受信が確認できるLEDも、見えやすい位置に変更したという。

 対応OSは、Windows 11/10(64bit版)、Android 10以降、RaspberryPi OS。シリアル通信速度は230,400bpsまでサポートし、9,600bpsで固定することも可能。CTS/RTSを使用したハードウェアフロー制御をサポート。Bluetooth Version 4.2 BR/EDRのClass2に準拠し、見通し距離約10mまでの通信が可能だ。なお、公衆回線モデムなど、通信制御にDTR/DSRを使用するRS-232C機器では使用できない。大きさ(突起部を除く)は約73.8×35×16mm(幅×奥行×高さ)、重さは約33g。

付属のACアダプターを使うと、RS-232C機器にも給電できる。また、RS-232C機器からの給電は5V~12Vに対応する

 RS-BT62シリーズは、RS-232C機器とホスト端末(Windows PC、Android端末など)との接続方法などの違いにより、4製品をラインアップする。

Bluetooth RS-232C 変換アダプター SPP Profileベーシックモデル(RS-BT62)

 「Bluetooth RS-232C 変換アダプター SPP Profileベーシックモデル(RS-BT62)」は、RS-232C機器(DCE側)に装着し、Bluetoothでホスト端末と接続するアダプター。標準価格は3万580円。

 対応するRS-232C機器としては、バックアップ電源、磁気カードリーダー、シリアルプリンター、電子天びんなどが挙げられている。OSやBluetoothのスタックにもよるが、1台のホスト端末につき最大7台のRS-232C機器の同時接続が可能としている。

RS-232C機器にRS-BT62を装着。Bluetoothを用いてPCやタブレットなどからRS-232C機器が利用できる

 Windowsから利用する場合は、RS-BT62は仮想COMポートとして扱われる。また、VC++2008向けのCOMポートとSocketAPIのサンプルソースコードがダウンロード提供される。そのほかには、PCとRS-BT62の間の電波強度を測定するWindows 11/10向けのアプリが用意されている。

 Androidでは、OS標準のBluetooth接続を使用。また、Google Playストアにて、パラメーター設定、簡易ターミナル、サンプルアプリケーションがダウンロードできる。

Bluetooth RS-232C 変換アダプター HID Profileモデル(RS-BT62HID)

 「Bluetooth RS-232C 変換アダプター HID Profileモデル(RS-BT62HID)」は、RS-232C機器から出力されるデータを、キーボードイベントとしてホスト端末に取り込めるアダプター。標準価格は3万580円。

 対応するRS-232C機器として、電子天びん、バーコードリーダーなどが挙げられている。受信したデータはExcelのセルやテキストエディタ、ウェブアプリに直接文字として入力される。設定を変更するWindows 11/10向けのアプリも用意されている。

Bluetooth RS-232C 変換アダプター HID Profileモデル(RS-BT62HID)
RS-232C機器に「RS-BT62HID」を装着。PCやタブレットの入力デバイスとしてRS-232C機器を利用できる

Bluetooth RS-232C 変換アダプター マスターモードモデル(RS-BT62M)

 「Bluetooth RS-232C 変換アダプター マスターモードモデル(RS-BT62M)」は、RS-232C機器のホスト側(DTE側)をBluetoothに変換するアダプター。標準価格は3万2780円。

 例えば、データロガーやパトライト社製のWD PROにRS-BT62を装着することで、ハンディターミナルやバーコードリーダーなどのBluetoothスレーブデバイスと通信できる。設定を変更するWindows 11/10向けのアプリも用意されている。

Bluetooth RS-232C 変換アダプター マスターモードモデル(RS-BT62M)
RS-BT62をデータロガーやパトライト社製のWD PROに装着すると、ハンディターミナルやバーコードリーダーなどのBluetoothスレーブデバイスと通信できる

Bluetooth RS-232C 変換アダプター ケーブルリプレイスメントセット(RS-BT62CR)

 「Bluetooth RS-232C 変換アダプター ケーブルリプレイスメントセット(RS-BT62CR)」は、RS-232C機器同士をBluetoothで接続するアダプター。「既存のRS-232Cシステムに変更を加えることなく、Bluetooth経由の無線システムに置き換えることができる」としている。DTE側の変換アダプター(RS-BT62M)とDCE側の変換アダプター(RS-BT62)がセットになっており、標準価格は6万280円。

 Windows 11/10に対応した設定ソフト「RS-BT62M 設定変更ツール」が付属。マスター/スレーブのモード切り替え、シリアル通信パラメーターの変更、ペアリング先の変更ができる。

 シリアルポートのパラメーターやペアリング先の設定を1回行えば、それ以降は電源が入ると自動的に接続する。利用例としては、データロガーと電子天びんの接続を挙げている。設定を変更するWindows 11/10向けのアプリが用意されている。

Bluetooth RS-232C 変換アダプター ケーブルリプレイスメントセット(RS-BT62CR)
RS-BT62CRを用いると、RS-232C機器同士が接続できる