セミの声を介してスマホ同士で画像データ送受信、BUGが無料アプリ公開


 株式会社ビー・ユー・ジー(BUG)は1日、近づけたスマートフォン同士で画像データを受け渡しできる無料アプリ「ジリリ」を公開した。iOS 4.2.1以上搭載のiPhone 3GS/4/4S、Android 2.1以上搭載のスマートフォンに対応しており、それぞれApp Store、Android Marketからダウンロードできる。

 送信側スマートフォンの同アプリ上で画像を指定して送信すると、セミの声をイメージした「ジリリ」という音が鳴る。受信側スマートフォンの同アプリでこの音を聞き取ることで、その画像を受信できる。現時点では、画像のほか、連絡先の送受信に対応しているが、他のファイル形式については今後検討するとしている。

「ジリリ」の仕組み

 ジリリ音は1.5秒ほどの長さで、データ容量としては16バイト。送受信ごとに発行されるワンタイム認証キーの情報が音声に変換されているという。この認証キー情報をもとにBUGのサーバー上でスマートフォン同士がマッチングされ、画像データの実体が3G回線またはWi-Fiネットワーク経由で送受信される仕組みだ。赤外線通信では時間がかかる大容量データも簡単に送れるとしている。

 その場でジリリ音を聞き取った複数のスマートフォンに一斉送信したり、逆に受信を許可するスマートフォンを送信側で指定することも可能だ。

 各種パラメーター情報を音声に埋め込んで通信するBUGの技術「スマート・サウンド・タッチ」を応用した。同技術は、店舗向けのソリューションとしてすでに実用化されており、例えばパチンコ店など相当に騒がしい環境でなければ、周囲にある程度のノイズがあっても認識できる精度だという。ジリリでは、発声する音の長さやノイズフィルタリングなどを考慮し、最も認識精度が高い周波数帯域を採用した結果、セミの声のようになったという。


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(永沢 茂)

2011/11/2 18:12