「ノートン 360」新バージョン発売、家族のPCを遠隔管理する機能に対応


「ノートン 360 バージョン 6.0」パッケージ

 株式会社シマンテックは22日、セキュリティ対策機能やPCのチューンナップ機能、バックアップ機能などを統合したソフトの新バージョン「ノートン 360 バージョン 6.0」を発売した。Windows 7/Vista/XPに対応しており、同日より「シマンテックストア」でのダウンロード販売を開始した。価格は、3台までのPCで1年間利用でき、2GBのオンラインストレージを含む標準版が8480円、オンラインストレージが25GBのプレミアエディションが9980円など。24日からは店頭でのパッケージ販売も開始する。

 同社が昨年9月に発売した総合セキュリティソフト「ノートンインターネットセキュリティ2012(NIS 2012)」の全機能に加え、シマンテックが提供するオンラインストレージとも連携するバックアップ機能を搭載しているのが特徴。新バージョンでは、バックアップ実行時のロジックを見直すなどして高速化を図ったという。バックアップの進行状況を示すダイアログもユーザーにわかりやすいよう改善した。

 接続するネットワークごとにノートン 360が使用する帯域幅を制限できる「ネットワークメーター」も追加した。例えば、3G回線や従量制課金の回線を使っている環境では、通信を遮断したり、重要なアップデートしか通さないといった設定が可能という。


メイン画面。白を基調にしたというタスク画面
バックアップ実行時のダイアログネットワークメーター

 セキュリティ面ではNIS 2012と同様、ウイルス対策エンジン、ネットワーク侵入防止、リアルタイムのふるまい検知である「SONAR」、ダウンロードするファイルの信頼性を評価する「ダウンロードインサイト」という4回層すべてに手を入れ、計50個所以上を改良した。例えば、SONARでは120の振る舞いルールを追加し、怪しいアプリの検知性能を向上させた。また、ダウンロードインサイトにおいては、ファイルの評価指標の1つとして「安定性」を追加。安全かどうかに加えて、インストールしてクラッシュしないかどうかといった観点からも、ダウンロードするファイルの信頼性を見極められるとしている。

 パフォーマンス面では、まずインストール時間を短縮するとともに、スキャンおよびライブアップデートも高速化。ファイルのコピーや移動、削除などリアルタイムの作業に影響する指標では、従来に比べて平均50%の性能改善が図られたとしている。

ファイアウォール(侵入防止、ダウロードインサイトなど)ウイルス対策(SONAR拡張モードなど)
スキャン設定スパム対策

 このほか、NIS 2012でも搭載されていたクラウド連携機能にノートン 360でも対応した。まず、ユーザーのID・パスワードを安全に保管してウェブ上で自動入力する機能「ノートン ID セーフ」では、それらのユーザー情報をローカルPCに保管する方法に加え、Nortonアカウントを使ってクラウド側でも保管できるようになった。これにより、複数端末からノートン ID セーフを活用できるとしている。

 同じくNortonアカウントで複数のノートン製品を遠隔管理できるサービス「ノートン マネージメント」にも対応。エージェントソフトをインストールした複数PCをアカウントにひも付けることで、ノートン マネージメントのウェブサイト上から遠隔でそれらのPCの状態を確認したり、ノートン 360を含むアプリケーションソフトのインストール/アンインストールが行える。インストールしたノートン 360の機能が一部オフになっているなどの問題を解決し、セキュアな状態に戻すことも遠隔で可能だ。新バージョンの目玉機能の1つだとしており、例えば、子供のPCに何か問題があった時に保護者が遠隔からも状況を確認できるとしている。

ノートン IDセーフノートン マネージメント

 なお、Windows 8との互換性については、同OSの開発者向けプレビュー版で動作検証済み。今後、コンシューマー向けプレビュー版でも互換性を維持するとともに、Windows 8製品版のリリース時には正式にサポートしていくという。

 シマンテックの吉田一貫氏(ノートン事業部リージョナルプロダクトマーケティングシニアマネージャ)は、ノートン 360という製品の提供意図について、ユーザーのデバイスやデータをセキュリティの脅威から守るだけでなく、データが無くなってしまうことからも守ることにある点を強調した。また、セキュリティソフトのイメージが強いシマンテックがバックアップ機能を提供することについて、同社のバックアップサービスの加入者は世界で1400万人、そのデータ量が75PB(ペタバイト)に上ることを紹介。実は個人向けバックアップサービスプロバイダーで、同社が世界市場ナンバーワンであるとアピールした。

株式会社シマンテックの吉田一貫氏(ノートン事業部リージョナルプロダクトマーケティングシニアマネージャ、左)と、林伸氏(ジャパンデベロップセンターコンシューマプロダクトエンジニアリングシニアプロダクトスペシャリスト、右)

【お詫びと訂正 2012/2/23 15:45】
 記事初出時、「ノートン マネージメント」の機能に関する記述に一部誤りがありました。お詫びして訂正いたします。

誤:インストールしたノートン 360の機能のオン/オフも遠隔で可能だ。
正:インストールしたノートン 360の機能が一部オフになっているなどの問題を解決し、セキュアな状態に戻すことも遠隔で可能だ。


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(永沢 茂)

2012/2/22 20:10