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スマホが「俺は盗まれたらしい」と感じたらメールで助けを求めてくるアプリ

 米Lookoutは28日、スマートフォンの紛失・盗難対策やマルウェア対策の機能を提供するiOS/Androidアプリ「Lookout」をアップデートし、新機能「盗難アラート」を追加したと発表した。月額2.99ドル(300円)または年額29.99ドル(3000円)のプレミアム版限定の機能。

 端末に対して怪しい操作が行われたのを検知すると、Lookoutのサービスから数分以内に、端末の現在位置の地図を添えたアラートメールが送信されてくるというものだ。Android版では、その操作を行った人物の写真もフロントカメラで自動的に撮影されて添付される。

 トリガーとなる具体的な操作は以下の通りで、いずれかの操作が端末で検知された際に発動する。

・誤ったパスワードが複数回連続で入力された
・SIMカードが取り外された、または取り替えられた
・機内モードがオンになる
・スマートフォンの電源がオフになる
・Lookoutのデバイス管理機能がオフになる

 ただし、このうちiOS版で実装しているのは「SIMカードが取り外された、または取り替えられた」「機内モードがオンになる、またはデバイスの接続が切れてから5分以上経過してデバイスが利用可能になった場合」の2項目のみだ。

 これらは、泥棒が端末を盗んだ後、持ち主からの追跡を回避するためにどのような操作を行うか、泥棒の気持ちになって調査した結果に基づくものだという。一方で、ユーザーによっては日常的にこうした操作を行っている場合もあるため、個々のトリガーのオン/オフをカスタマイズ可能だ。

「盗難アラート」メールの例(iOS端末の場合)

 Lookoutでは、トリガーとなる操作がスマートフォンで検知され次第すぐにメールが送信されるよう開発には万全を期しており、ほとんどの場合、スマートフォンの電源がオフになる前にメールが送信されるとしているが、「機内モードがオンになる」の場合は接続が切れるスピードが速いため、メール送信が間に合わず、ネットワークに再接続されるまでメールを送信できない場合があるという。

 また、機種によっては、SIMカードを取り外すにはあらかじめバッテリーを外しておかなければならない構造となっており、バッテリーが再度装着されて電源がオンになるまで検知されない場合もあるという。

 プレミアム版はすでに購入可能だが、5月28日以前にLookoutに登録済みの既存ユーザーに対しては、9月30日まで盗難アラート機能を無料で試用提供する。該当ユーザーには、試用機会を3週間以内に提供開始するとしている。

 なお、Andorid版では従来より、ロック画面で誤ったパスワードが3回入力されると、その操作を行った人物の写真を撮影し、位置情報とともに持ち主にメール送信する「ロックカメラ」という類似機能が無料版・有料版ともに提供されていたが、今回のアップデートにより、有料版の盗難アラート機能に統合された。

(永沢 茂)