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PCメーカーやサービスプロバイダーに聞く「今年の意気込み」と「去年の売れ筋」【2025年版】

今年の注目は?

 新年明けましておめでとうございます。

 新年といえば去年の振り返りと今年の展望。「メーカーから見た去年の売れ筋ネットワーク機器」や「今年の意気込み」が気になる人も多いはず。

 そこで今回、PCメーカーやサービスプロバイダーに、2024年にヒットした製品やサービス、「2025年の意気込み」をお伺いし、お寄せいただいたコメントを紹介します。

 コメントをいただいたのは、インテル、GeChic、Shuttle、デジタルデータソリューション、VAIO、フリービット、マウスコンピューターの7社(ブランド名50音順)。

 各社が力を入れている、そして今後入れていくポイントや今年の意気込みなど、なかなか興味深いコメントもあるので、気になるメーカーがある方はそこを、全部読みたい方は頭からどうぞ。

インテル株式会社 リテールマーケティング 飯田真吾氏
●2024年にヒットした製品・サービスとその背景を教えてください

近年ゲーム市場は盛り上がりを見せ、弊社製品の中でもゲーマー向けデスクトップPC製品、インテル Core プロセッサー・ファミリー(第14世代)が好調でした。
この新世代のプロセッサーは、引き続きインテルのパフォーマンス・ハイブリッド・アーキテクチャーを活用して、ゲーム、コンテンツ制作、生産性を最大限に引き出します。一連の強力なチューニングおよびオーバークロック・ツールでCPUのパフォーマンスを大幅に強化できる事も魅力です。

●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?

一昨年の12月に発表されたインテル Core Ultraですが、モバイル・プロセッサー(シリーズ2)が発売されました。このCPUはスタイリッシュでスリムな小型軽量PC筐体で、次世代AI体験を実現するために構築された高効率プロセッサーです。最新世代のP-coreおよび低消費電力E-coreプロセッサー・アーキテクチャー、強化された NPU 4.0 AI エンジンでNPUの処理能力も4倍になり、新しいXe2 アーキテクチャーにより駆動する内蔵インテル Arc GPUが搭載されています。

●2025年の意気込みを教えて下さい

2025年はAI普及の年として引き続きインテル Core Ultraプロセッサーを中心にPCメーカー様や関連企業の方々とさまざまなエンドユーザーニーズに対して、弊社のテクノロジや製品を活用し、より良いPC体験をして頂けるような提案を引き続き行って参ります。

●読者に一言どうぞ

INTERNET Watchの読者様、日頃よりご愛顧、ご関心をお寄せいただき誠にありがとうございます!

 本年は大きなチャレンジの年となります。弊社の製品群が皆様により良いPC環境をご提供できるよう企業努力を継続して参ります。皆様にとっても良い年になります事をお祈りしています。弊社製品へのご要望等ございましたらお願い致します。

テックウインド株式会社(Gechic販売代理店) 営業本部 PM統括部 PM2部 ニューカテゴリーグループ木股 薫亮氏
●2024年にヒットした製品・サービスとその背景を教えてください

On-Lap M141Eは横置き/縦置き両対応可能な点が支持されヒット商品となりました。14インチサイズで重量696gと可搬性に優れ、モバイルモニターでは希少なアスペクト比16:10(1920×1200)の液晶パネルを採用していることもPCユーザー層にご好評をいただいており、ご自宅でのリモートワークや商談時などビジネスユースに最適な製品です。

●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?

産業用・組込用途に最適なOn-Lap T1シリーズ(T111A,T131B,T151A)です。
感度設定が可能で手袋着用でも操作が可能なマルチタッチパネル、ホストPCと最長7.5mのケーブルで接続可能な点や、汚れや傷に強い点が特長です。工場以外にもサイネージ用途での採用も増加しております。高機能なタッチパネルモニターをお探しの法人様はお気軽に当社までお問合せください。

●2025年の意気込みを教えて下さい

より高解像度の液晶パネルを採用した製品、ユーザビリティを向上させるオプション製品など多くの新製品の投入を予定しています。低価格帯のモバイルモニターには無い良質な製品を台湾発で供給し続けていきます。

●読者に一言どうぞ

GeChicはモバイルモニターのパイオニアであり、2010年の創立当初から、「軽く」「薄く」「省電力」かつ「実用的」なモバイルモニターの開発に注力しています。創業者のJason氏はASUS出身で、製品には極力台湾製の部材を採用することにも拘っています。また先述のT1タッチモニターを筆頭に、法人様への提案も強化していますので、2025年もGeChicにご期待ください。

日本Shuttle株式会社 セールス&マーケティング部 ゼネラルマネジャー 伊藤 賢氏
●2024年にヒットした製品・サービスとその背景を教えてください

DH6100になります。昨今のスリムで小型PCは、その性格ゆえモバイルCPUの採用が最適であることから圧倒的に主流となっております。そんな中、DH610はデスクトップCPUを採用した製品です。パフォーマンスと本体サイズの両面で妥協したくない方々に大変ご好評をいただいております。また小型でありながら複数の映像出力端子やデュアルLANなど高い汎用性をもったインターフェイスも人気の要因の一つになっています。

●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?

より極限まで小型化したSPCELシリーズが始まりました。こちらはモバイルCPUを採用した製品になります。当然ながら絶対的パフォーマンスはDH6100に譲りますが、代わりにファンレス化及び最小化の追求がなされました。インターフェイスは極力削らず汎用性を落とさないよう工夫もされています。

●2025年の意気込みを教えて下さい

毎年、製品/サービスの進化を続けてまいりました。2025年は、展示会をはじめ、皆さまのお声をもっと広く聞いていけるような取り組みを重点的に行っていきたいと思います。また従来のPCとしてだけの使い方に捉われない、プラットフォーム/アプリケショーン別に最適化された製品群を用意していく予定です。

●読者に一言どうぞ

今までは、お客様の用途をShuttleの製品自身が枠にハメてしまっていた所がありました。2025年は、皆さまの新しいアイデアを刺激するようなご提案をしていけるメーカーに進化することをミッションとしています。

デジタルデータソリューション株式会社 サイバーセキュリティ事業部長 綿引 翔平氏
●2024年にヒットした製品・サービスとその背景を教えてください

情報流出をさせないセキュリティ製品「DDHBOX」です。1日に約120万種の新種マルウェアが生まれる現在、ウイルスソフトやUTMでは完全な防御が困難になっています。「DDHBOX」は、国内トップのセキュリティベンダー・ラック社が提供する「日本国内で実際に検出された不正なサーバ」の最新情報を集約したブラックリストを使用し、サイバー攻撃者のC2サーバへの不正通信を自動検知・遮断することで、情報漏えいを防ぎます。不正通信の遮断は全自動で行われるため、情報システム担当やセキュリティエンジニアによる運用が不要で、セキュリティ対策に詳しい人材が不足している場合も導入できます。万が一に備えて300万円分のサイバー保険が付帯しており、インシデント発生時のサポート体制も万全です。

●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?

脆弱性診断サービスです。当社の脆弱性診断は、システム・ネットワーク内の脆弱性や設定の不備を網羅的に検査・特定し、実際の攻撃が起こる前にリスクを可視化します。サイバー攻撃被害の事後対応の専門会社として、高い技術力と豊富な調査実績を活かし、診断結果を最大1日でご報告可能です。従業員1000人以上の上場企業での診断実績では、第三者が任意のコードを実行できる重大な脆弱性も発見。外部からのハッキング・不正アクセスの被害が多数発生している中、事前対策として脆弱性診断を行う企業が増えています。

●2025年の意気込みを教えて下さい

サイバー攻撃は年々巧妙化しており、情報漏えいなどの被害が企業に与える影響は一層深刻化しています。2025年を迎えるにあたり、これらの脅威に対して、より強固な対策を講じることが求められます。当社は、サイバーセキュリティの強化を通じて、企業の情報資産を守り、データセキュリティカンパニーとしての使命を果たしてまいります。

●読者に一言どうぞ

デジタルデータソリューションは、「困った人を助け、困った人を生み出さず、世界中のデータトラブルを解決します。」という理念のもと「サイバーセキュリティ事業」「フォレンジクス事業」「データリカバリー事業」の3事業を展開しています。今後もデータトラブルの解決を通じて、困っている方々の問題解決に向けて貢献していきます。2025年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

VAIO株式会社 開発本部 プロダクトセンター センター長 黒崎大輔氏
●2024年にヒットした製品・サービスとその背景を教えてください

「VAIO Vision+ 14」です。

働き方の多様化が加速する昨今ですが、従来のモバイルディスプレイの多くは常時携帯できるような重さではなく、どこでも自由に使えるものがありませんでした。VAIO Vision+ 14はこうした課題を解決すべく開発された製品です。PCをつくりつづけてきた知見を活かして14.0型ワイド以上のモバイルディスプレイにおいて世界最軽量の約325g(*2024年6月14日時点 ステラアソシエ調べ)。上下二画面配置できるスタンドにもなる、付属のカバースタンドもご活用いただくことで、いつでもどこでもオフィスワーク同等のデュアルモニター環境を実現できることが非常にご好評いただきました。

●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?

「VAIO SX14-R」です。

設立10年の節目に、真のモバイルワークの進化にも対応することを目指し、数々の挑戦と検証を重ねて開発されたモバイルPCラインアップの最上位に位置づけられる新製品として「VAIO SX14-R」にぜひご注目ください。
新設計のカーボンファイバープレート採用により最軽量構成で1kgを切る軽量・堅牢ボディを実現。3つのマイクを活用したAIノイズキャンセリング機能等によりWeb会議体験も飛躍的に向上、大容量バッテリーが選択可能で長時間のモバイル利用でも安心してお使いいただけます。

●2025年の意気込みを教えて下さい

コロナ禍を経て、我々の働き方やPCへのニーズは大きく変わりました、2024年はVAIO Vision+ 14、VAIO SX14-R発表し、新しい働き方を提案するラインアップが出揃いました。2025年はこの新しいラインアップをもって日本の働き方をより進化させていきたいと考えています。また引き続き、すべての製品を長野県安曇野市のVAIO本社工場にて専任の技術者の目と手で行われる徹底した品質チェックを経て、自信を持ってお届けいたします。2025年のVAIOのものづくりにもどうぞご期待ください。

●読者に一言どうぞ

VAIOは2024年7月に設立10周年を迎えました。この10年を支えてくださったすべてのみなさまに感謝の気持ちを改めてお伝えするとともに、引き続きみなさまの声に耳を傾け、商品理念である「カッコイイ」こと、「カシコイ」こと、「ホンモノ」であることを軸に、常に時代の一歩先を行く製品をご提案し、みなさまと共に進化していけるよう努めてまいります。

フリービット株式会社 インフラ事業本部 通信事業推進部 シニアリーダー 事業企画開発室 遠藤大氏
●2024年にヒットした製品・サービスとその背景を教えてください

「どこでもIP」は月額550円(税込)で固定IPアドレスをどこからでも利用できるサービスです。2024年には、自宅や外出先から社内ツールへアクセスしたいというニーズが高まり、多くのお問い合わせをいただきました。社員様の自宅の契約プロバイダに固定IPアドレスの提供が無かったり、月額費用が割高だったりするケースが多く、安価に契約できる固定IPアドレスを探している企業様にマッチしたと思います。

●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?

法人向けICTサービスを直販する「freebit Business」ブランドを立ち上げ、その第一弾として、「どこでもIP」をリリースしましたが、第二弾として、2025年1月に法人向け5Gモバイルサービス「freebit mobile Biz(フリーモ)」を開始します。これまでフリービットではMVNO向けのサービスを提供していましたが、エンドユーザー企業のお客様にもオンラインで手軽に買ってもらえる安価なSIMとしてリリースします。フリーモは、5Gと、eKYCによる本人確認、eSIMという新しい3つの技術を組み合わせています。たとえば営業マンが自分のスマホにeSIMとしてセカンド回線を会社負担で導入できますので、幅広い企業様にご利用いただけるサービスと考えています。

●2025年の意気込みを教えて下さい

2025年は「freebit Business」ブランド第二弾として「フリーモ」を本格展開し、より多くの企業様に新しい価値を提供してまいります。毎月16日0時の容量リセットなど、フリービットならではの強みを活かし、法人向けICTサービス市場での地位を確立することを目指します。ぜひご期待ください。

●読者に一言どうぞ

フリービットはこれまで主にMVNO事業者様、及びISP事業者様へインフラ支援事業を行っていました。そのため普段エンドユーザー様との接点があまり無かったのですが、新たに立ち上げた「freebit Business」では法人のお客様に直接、フリービットが提供するサービスの一部を気軽に触れていただくことが出来ると考えています。今後もさまざまなサービスラインアップのリリースを検討中ですのでご期待ください。

株式会社マウスコンピューター 広報室 小山氏
●2024年にヒットした製品・サービスとその背景を教えてください

9月に販売開始をした初のAIPC「MousePro G4」です。インテルのCore Ultraプロセッサー(シリーズ2)の発表に伴い、当社も同時に発表を行いました。本製品は14型ノートPCで、全ブランドの中で最軽量の約946gを実現しています。また、LTEモジュールのカスタマイズにも対応しており、営業や出張を行う法人様からご好評をいただいております。さらに、Windows 10のEOSを見据えたリプレースモデルとしても多くのお問い合わせをいただいております。

●そのほかに注目して欲しい製品はありますか?

GIGAスクール構想第二期を見据えた2in1コンバーチブルPC、2機種です。どちらも文部科学省提唱の「学習者用コンピュータ最低スペック基準」を満たします。

①5月発売「MousePro T1」は、Windows 11を搭載しています。

②6月発売「mouse Chromebook U1」は、当社初のChromebookです。

●2025年の意気込みを教えて下さい

2025年も、最新のテクノロジーのいち早い製品化と、豊富なラインアップ、サービスをお届けできるよう努めてまいります。

●読者に一言どうぞ

2024年は、「INTERNET Watch」を通じてマウスコンピュータ―をご愛顧いただき、誠にありがとうございました。

2025年もみなさまの期待を超える製品・サービスをお届けできるよう努めてまいりますので、引き続きマウスコンピュータ―をよろしくお願いいたします。