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【連載】

電子メールマガジンの作り方




第7回:「メールマガジン」のインターフェイスを考えよう(その2)
――テキストだけでここまでできる――

 前回の連載で「メールマガジン」のインターフェイスについて、そのレイアウトがWebなみに重要であることをお話しました。
 中でも絵文字の作り方についてはセンスも必要になるところ。そこで今回は「週刊 kyota.com」の発行者、京太さんにインタビューを行ないました。

●週刊 kyota.com の場合

 前回、「絵文字の作り方」にてご紹介したプロの絵文字師・京太さんは、メールマガジン業界では有名人。企業のメールマガジンの編集・絵文字製作など幅広く活動しています。京太さんが作るメールマガジンは、レイアウトや絵文字の使い方に、さまざまな工夫がされています。

・週刊 kyota.com
http://www.kyota.com/weekly/

キッテコム:前回、絵文字の作り方でサイトを取り上げさせていただいたんですが、絵文字でもかなり表現力があるんですね。今日は絵文字に限らず、メールマガジンのレイアウトで京太さんのアドバイスをお願いします。

京太:2年前から、必要に迫られて試行錯誤してきたレイアウトのノウハウですが、私の体験がお役に立てれば光栄です。

キッテコム:まず最初に、実際の京太さんのメルマガでの絵文字の活用例についてお伺いします。絵文字は、文中でも使ってるんですか?


京太   :私のメールマガジン「週刊 kyota.com」では、コーナーとコーナーの間に、区切りとして5行広告の体裁をとったアピールスペースがあります。ここに絵文字を挿入することにしていて、私が作った5行広告の展示場所として利用しています。あと、メールの最初、タイトル部分に特徴のある絵文字を入れると、そのメールマガジンのトレードマークになり、インパクトが出ますね。

キッテコム:今までのご自慢の絵文字があれば教えてください。

京太:最近作ったメールマガジンのタイトルで気に入っているのは、以下のようなものです。共通点は、サイトに飛んでいただければわかりますが、サイトのデザインやロゴに似せて作ってある点です。


    

キッテコム:ヘッダー部分は、あまり派手には作ってないように思います。これは、やはり毎回同じ部分を何行も続けないようにするためですか?

京太:前回、吉田さんが説明なさっているように、私もメールマガジンで一番大事なのは、INDEXだと思ってます。メールを開いたときに、INDEXが最後まで読めるのが理想ですよね。なので、タイトルの行数は、少ない方が好まれるのではないでしょうか。「週刊 kyota.com」のタイトルデザインは地味なんですが、実は私のサイトにあるオブジェ風イラストのデザインに似せているんですよ。なので、あまり変更したくないんです。でも、サイトをリニューアルしたら、変えるかもしれません。


キッテコム:それ以外にも区切り線や見出しにおける記号の使い方、段落の下げ方に色々な工夫を感じるのですが、何か規則みたいなものは作っていらっしゃいますか?

京太:はい。週刊 kyota.comに限らず、私の関わるメールマガジンはすべて「ViTAL BiT表記コード」という規則に従って作成しています。これは、私たちのグループ・ViTAL BiTの独自規格です。「これが絶対だ」とは思っていませんが、表記を統一すると、読みやすくて美しくなると思っているんです。段落の下げ方などは、最新のメーラーの機能などに合わせ、都度変更を加えていますが、一つの誌面では必ず統一しています。

区切り線や見出しなどにデザイン的要素を加えるのは、すべて読みやすくするためです。「ここからは、違うコーナーだよ」と読者に直感的にわかっていただける効果があるかなぁと。アーティスティックで鑑賞して楽しむような絵文字は、メールマガジンには必要ないと思ってます。私が、絵文字を使う時に気をつけているのは、“パッと見てわかりやすい”、“文章のじゃまにならない”、“極端に容量を圧迫しない”、“いつも同じ場所の同じ位置に同じくらいの大きさものを挿入”などでしょうか。


キッテコム:京太さんが実際に作られた絵文字の入った広告のうち、いくつかを見せていただけませんか。

京太:こんな感じです。


 
キッテコム:うわー、結構できるものですね! 2つ目の家なんてすごいですね。最後に、これからメールマガジンを出していく皆さんに、レイアウトなどの観点からなにか一言アドバイスをお願いします。

京太:メールマガジンは、文章が主役です。区切り線・記号は、できるだけ一種類で統一するとか、絵文字は小さなものを少しだけ入れるとか、シンプルを心がけておくとちょうどいいと思います。読者に好まれるのは、読みやすい誌面なんです。見直すと余分な線など、結構削れる箇所がみつかるものです。そのうえで、今まで見たことのないデザインを、目指したいですね。それと私以外にも、もっと絵文字師さん、レイアウトデザイナーさんが増えるといいなぁと思ってます。今ならニーズがありますよ。


<<ご紹介したメールマガジン>>


誌名  :週刊 kyota.com
刊行形態:週刊
発行部数:1,484部
配送方法:独自システム、パブジーン、マッキー

 インタビューして感じたのは、やはり試行錯誤を繰り返しているということです。メールマガジンの発行が、手軽にできるようになってからまだ2年余。色々なことを試しては読者の反応を見て、うまくいったりがっかりしたりしています。
 でも、色々考えている人には自然とノウハウが集まりつつあります。レイアウトにおいては、取り返しのつかない失敗はあまり起こらないでしょう。迷ったらとりあえず試してみるつもりで、取り組んでみてはいかがでしょうか。そこで読者の反応をダイレクトに感じて、改善していくことがなにより大事だと思います。

 さて、次回はメールマガジンのプロモーションについてお送りします。

【追伸】この連載をご覧いただいて、メールマガジンの発行をはじめた方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡をください。また、どのあたりが参考になったのか、またどのような事を知りたいかなどの御意見をいただければ幸いです。今後の連載の参考にさせていただきます。また、これに限らず、メールマガジンの作り方に関してご質問などございましたら、下記のメールアドレス宛に投稿ください。

(99年7月8日)

[Reported by webmaster@kitte.com ]


バックナンバー

第1回:あなたも、電子メールマガジンのオーナーになろう!('99/0527)

第2回:どれが人気!? 電子メールマガジンの発行サービス比較('99/0603)

第3回:人気のある「メールマガジン」を作る秘訣('99/0610)

第4回:長く発行を続けるための作業テクニック(その1)('99/0617)

第5回:長く発行を続けるための作業テクニック(その2)('99/0624)

第6回:「メールマガジン」のインターフェイスを考えよう(その1)('99/0701)

第8回:「メールマガジン」のプロモーション(その1)('99/0715)

第9回:「メールマガジン」のプロモーション(その2)('99/0722)

第10回:「メールマガジン」のプロモーション(その3)('99/0729)

第11回:「メールマガジン」に広告をとるには('99/0805)

第12回(最終回):自分のメディアを持つということ('99/0812)


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