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“電話加入権”を廃止しても資産計上に必ずしも影響しない~NTT社長会見


 NTT(持ち株)は、1月22日に行なわれた和田紀夫社長の記者会見をWebサイトで公開した。2004年の抱負として、収益面での構造改革と通信インフラへのさらなる投資を掲げた。また、固定電話の施設設置負担金や放送事業参入についての考えを明らかにしている。

 和田社長は、2004年の収益はブロードバンドやユビキタスを中心に据えるという。固定系ではADSLやFTTHといったブロードバンサービスが、移動体系ではFOMAが急速に加入者を増やしており、映像による情報配信などで、流通する情報量も急速に増加していると分析。「採算のとれるビジネスを育てたい」と意気込みを述べた。また、バックボーンなどの通信インフラで増加する情報量や、セキュリティや信頼性といったネットワークの高度化などについても言及。「質・量の拡大、多様化に対応して、技術開発などのための投資が可能になるようグループで努力したい」と決意を語った。

 会場では、施設設置負担金や放送事業参入についての質疑応答があった。施設設置負担金の廃止に関しては、電話加入権が存在し、それが譲渡できることや質権が設定できること、減価償却できない資産として計上されていることなどの問題を指摘。「かなり難しい議論がなされると思う」という。ただし、NTTとしては「施設設置負担金は債権ではなく、回線設備の費用を前倒し的に一括で徴収するもの」で、負担金廃止問題は資産計上などに必ずしも影響しないとしている。

 また、一部メディアでNTTが放送事業に参入するとされた件に関しては、「従来どおり、放送事業そのものに参入する考えはない」と否定。ただし、「放送事業者が求めるシステムやプラットフォームなどは提供したい」と回答した。なお、NTT東日本が「映像通信網サービス」を提供するスカイパーフェクト・コミュニケーションズ(スカパー)の子会社オプティキャストが、東京都内の一部マンションで放送事業を開始する予定で、スカパーでは「こうした取り組みが一部混同されたのではないか」とコメントしている。


関連情報

URL
  社長会見より(NTT)
  http://www.ntt.co.jp/kaiken/index.html
  1月24日付 朝日新聞朝刊の報道について(スカイパーフェクト・コミュニケーションズ)
  http://www.skyperfectv.co.jp/skycom/press/03-04/20040124.html

スカパー、NTT東西のFTTHやADSL向け放送サービス開始との報道を否定(2004/01/22)
総務省、“電話加入権”の廃止検討案を情報通信審議会に報告(2003/12/09)


( 鷹木 創 )
2004/01/26 17:34

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