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Yahoo! BBの顧客情報流出事件、容疑者は販売代理店の経営者ら


 ソフトバンクBBが24日夕方に開いた記者会見で明らかにしたところでは、Yahoo! BBの顧客情報流出事件の経緯は以下の通り。

 1月中旬にソフトバンクBBに対して、容疑者とされる人物から電話があり、その直後の1月14日、242人の顧客情報の一部をプリントしたものが郵送で到着。さらに21日には同社渉外担当者が容疑者と接触し、残りの顧客情報をプリントしたものを手渡しされた。

 ソフトバンクBBがこれを同社の顧客データベースと照合したところ、本物であると判明。23日、242人の顧客情報が流出したことを発表した。27日に警察に正式に被害届け出を提出し、2月11日になって警視庁が容疑者を逮捕した。これまで発表しなかったのは、捜査当局からかん口令が敷かれていたからだという。

 流出した情報は、ソフトバンクBB側で管理している住所、氏名、電話番号、申し込み日、メールアドレス。ヤフー側で管理しているクレジットカード番号やパスワード、利用履歴などの信用情報は含まれていないという。

 流出経路は、捜査当局の調査と併行して、ソフトバンクBB内でも「徹底的に調査中だが、現状ではわからない」(ソフトバンクの田部康喜広報室長)。データベースに不正アクセスした痕跡がないか確認したが、現状では見つからないという。また、アクセスログからは、242人以外に流出した形跡も見あたらないとしている。

 一方、今回逮捕された北海道函館市の会社役員が「Yahoo! BBの代理店の1つとして加入活動を行なっていたのは事実」だが、「業務委託先を含めて、代理店がソフトバンクBBの顧客データベースにアクセスして中身を見る権限はない」という。また、代理店が自社で申し込みを受け付けた分については顧客情報を入手し得る状態にあるのは事実だが、242人の顧客情報は特定の代理店に集中していたわけではなく、容疑者の代理店以外のものも含まれていたという。ただし、特定の申し込み日のものが固まっていた。

 なお、警視庁の発表によれば、242件のうちの104件については、ソフトバンクBBのサポートセンターに関わりのある別の人物がソフトバンクBBに送り付けたとしているが、この点についてソフトバンクBBは、24日夕方の記者会見時点で事実関係を確認していないという。ただし、サポートセンターでも顧客データベースにアクセスできる人物はかなり限定されるとしている。

 ソフトバンクBB孫正義代表取締役社長は海外出張のために会見は欠席したが、「これは犯罪である。屈してはいけない。1円たりとも金銭を供与してはいけない」との方向性を示しているという。

 田部広報室長によれば、Yahoo! BBの営業活動はこれまで通り継続するとしている。

 なお、今回行なわれた記者会見は、読売新聞夕刊の報道を受けて急遽行なわれたもので、ソフトバンクBB自身も報道されたような事件の詳細については警視庁に情報を確認していないという。ソフトバンクBBではさらに情報を収集した上で、宮内謙代表取締役副社長が出席して、午後10時より再度、記者会見を行なう予定だ。


関連情報

URL
  恐喝未遂容疑者の逮捕に関するソフトバンクBBのコメント
  http://www.softbankbb.co.jp/company/topics/t_040224.html

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( 永沢 茂 )
2004/02/24 21:36

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