総務省は21日、メールに記載されたURLにアクセスしただけで高額な料金を請求されたという相談が今年に入ってから増加しているとして、このような手口に注意するよう呼びかけた。アクセスしたアダルトサイトの“入口”をクリックしただけで入会手続きが成立したとみなされ、高額な会費を請求される例もあるという。
総務省によると、2つの典型的なパターンがある。まず1つは、受信者ごとに異なる識別IDを含むURLが記載されたメールを送り付けてくるもの。誰がそのURLのリンクをクリックしたか識別できるため、実際にアクセスしてきた人に請求が来る仕組みだ。このパターンでは、入金の催促を電話で行ないやすいことから、携帯電話番号がそのままメールアドレスに使われるショートメッセージサービスで送られることが多いという。
もう1つは、リンク先のサイトに“入口”や“18歳以上”とだけ記載したリンクを設け、これをクリックしただけで入会したとみなされ、「ご入会ありがとうございました。3日以内に会費を振り込んで下さい」などと表示するもの。この場合、「利用者の利便性向上のため」などの理由をつけ、“入口”をクリックしただけで入会手続きが完了するという項目が利用規約に含まれているという。しかも、利用規約へのリンクはページの下までスクロールしないと表示されなかったり、利用規約の中でも最後に記載するなど、意図的にわかりにくくしている。こちらのパターンでも、どのメールアドレスのユーザーがいつアクセスしたか把握しているため、料金を振り込まないでいると催促の電話をかけてくるとという。
総務省ではこのような手口への対処法として、「見覚えのない送信元からのメールに記載されたURLには不用意にアクセスしない」「サイトにアクセスする場合には、必ず最初に利用規約をよく読む」よう注意を呼びかけている。
また、“入口”をクリックした場合でも、「法律上、利用者が契約をするにあたり錯誤(勘違い)があった場合、その契約は原則として無効となる旨が定められている」として、「民法第95条」と「電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律第3条」を紹介。上記のような手口は法律上無効となる場合が多いと考えられるとして、契約にあたって錯誤があったかどうか不安な場合には、料金を支払う前に自治体の無料弁護士相談などで確認するよう呼びかけている。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.soumu.go.jp/s-news/2004/040421_3.html
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・ 総務省、アダルトサイトなどの“架空料金請求”の対処法(2003/11/25)
( 永沢 茂 )
2004/04/22 14:03
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