市場調査会社大手の米NPD Groupは3日、米国の音楽CD市場で価格下落傾向が加速しているとの調査結果を発表した。
調査によると、2004年第1四半期のCD価格は、2003年第1四半期と比較して4%近く下落していた。これより以前の下落幅は、2002年第3四半期から2003年第3四半期にかけてが1%弱、2002年第4四半期から2003年第4四半期にかけてが2.5%だったため、下落傾向が大幅に加速したと言える結果だ。
米国の音楽CDの平均価格は、2003年には13.79ドルだったが、2004年の最新調査では13.29ドルにまで下がった。この傾向は売上枚数が上位50枚のCDにも見られる。2004年第1四半期における50枚の平均価格は13.36ドルとなり、前年に比べて3.1%下落していた。
価格下落の理由についてNPD Groupの音楽調査部門であるNPD MusicのRuss Crupnick社長は、「レコード業界は過去数年にわたって、ファイル交換によって部分的に加速された市場変化に対処しなければならなかった。しかしながら小売業全体の情勢も変化しており、消費者は“エブリデーロープライス”といった価格戦略やとてつもない激安販売にますますさらされるようになった。また、すべての人はDVD、ビデオゲームなどが2ケタ成長を続ける中で、娯楽に使うお金の競争が増していることに気付いているだろう。これらの状況因子が、業界が価格設定を下げる向かわせている」と説明した。
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■URL
ニュースリリース(英文)
http://www.npd.com/press/releases/press_040603.htm
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・ ファイル交換とレコード業界の売上減少は無関係~米経済学者が論文(2004/03/30)
( 青木大我 taiga@scientist.com )
2004/06/04 12:05
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