社団法人日本音楽事業者協会とヤフーは14日、「Yahoo!オークション」におけるタレントの肖像権侵害を撲滅するための共同キャンペーンを行なうと発表した。権利者に無断で出品されるタレントの生写真などの削除体制を強化する。
対象となる出品物は、コンサートやサイン会などのイベントで無断撮影された写真、プライベート写真、マスコミやプロモーション用などの素材が流出したもの、写真集などから複製したものなど。これら肖像権を侵害する出品物について、2社で詳細な削除基準を策定するとともに、侵害品を発見した場合の権利者との連絡体制を確立する。また、肖像権の啓蒙を目的とした情報ページも開設する。
ヤフーによれば、Yahoo!オークションにおける5月の平均出品数633万件のうち約5万件がタレント関連グッズで、その一部に肖像権侵害にあたるものが含まれていたという。ヤフーではこれまでも、明らかに肖像権を侵害していると判断できるものについては削除してきたが、権利者からの指摘がなければわからないものもあるのが実情だ。今後は、侵害品を発見した日本音楽事業者協会からの通知を受けた後、直ちに削除を行なう。
ヤフーはすでに1月、コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)と、Yahoo!オークションにおける海賊版ソフト対策で取り組みを開始している。今回の日本音楽事業者協会との取り組みは、不正品の発見・削除体制の強化に向け、権利者団体との協力体制を拡大するものとなる。今後も他の団体へ協力を呼びかけていくとしている。
一方、日本音楽事業者協会は長年にわたり、主にマスメディアにおける肖像権侵害の対策に取り組んできたが、インターネットの普及などにより「アマチュアが肖像権侵害を行なえる時代が今まさに到来してしまった」(尾木徹常任理事)として、2001年以降、タレントや有名人の肖像権を広く啓蒙するキャンペーンを毎年実施してきた。今回、4回目のキャンペーンを開始するにあたり、ヤフーとも2003年秋頃から話し合いを行なっていたという。
なお、インターネットではオークション以外にも、個人のWebサイトにおけるアイコラ写真などの事例もあるが、これについては協会側でも状況をつかみかねているという。尾木常任理事は、2001年に開始した啓蒙キャンペーンが「ボディブローとして効いていればいい」とコメントした。
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■URL
ニュースリリース
http://docs.yahoo.co.jp/info/pr/release/2004/0614.html
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・ ヤフーとACCS、Yahoo!オークションの著作権侵害出品の削除で提携(2004/01/15)
( 永沢 茂 )
2004/06/14 16:55
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