ソースネクストは17日、報道関係者向け会見を開催し、同社の法人向けソフトウェア市場への参入を発表した。
同社代表取締役社長の松田憲幸氏は、まず主力製品をすべて1,980円にする目的として、「コンピュータソフトの普及」を挙げ、これにより市場規模全体の拡大を狙うと語った。現在「1,980円シリーズ」は171タイトルまで拡がっており、販売本数のシェアでは23.9%に達しているという。
また、製品ラインナップでは、従来は取り扱っていなかったセキュリティ診断・管理ソリューション製品を、NRIセキュアテクノロジーズ社と提携して発売すると発表した。
● ウイルス対策ソフトだけではチェックできない所を押さえるソフトを提供する
NRIセキュアテクノロジーズ代表取締役社長寺田洋氏は、今回の提携について、「エンタープライズ向けセキュリティ情報や製品を提供しているNRIセキュアと、コンシューマソフト販売に強いソースネクストとの、双方の強みを活かした共同開発ができるようになった」と説明。
提携第1弾として発売する製品では、NRIセキュアのセキュリティ診断・管理ソフト「SecureCube/PC-Check」をコンシューマ向けに改良して販売する。同社では、日米欧計4拠点で収集しているセキュリティ情報を元に、情報配信やPCの診断・管理ソリューションを提供。セキュリティポリシー設定に関しても、最新のセキュリティ情報を反映したものとなっているという。
ソースネクストの提携について、寺田氏は「従来のウイルス対策ソフトだけでは、チェックしきれない、Windowsの設定やパッチ更新状態のチェックなどを押さえて提供していきたい」と今後の方針を示した。
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左)ソースネクスト松田憲幸社長
右)NRIセキュアテクノロジーズ寺田洋社長
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コンシューマ向け「SecureCube/PC-Check」のユーザーインターフェイス(開発中)。分かりやすさを追求しているという
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● 開発環境を1,980円で販売し、開発者をどんどん増やしていきたい
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左)ソースネクスト松田憲幸社長
右)日本オラクル新宅正明社長
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次にソースネクストが参入していないジャンルとして松田社長は、「開発ツール」を挙げ、この分野に参入するために日本オラクルと提携したと発表。通常版が130,620円のJava開発ツール「Oracle JDeveloper 10g」を1年限定版として1,980円で発売すると発表した。
続いて壇上に上がった日本オラクル代表取締役社長新宅正明氏は、現在オラクルマスターは約12万人、Oracle関連のネットワーク管理者も約25万人居ると説明。それに対して、Java開発者などは人数少ないと指摘し、「Java開発者をどんどん増やしていき、10万人を目標としていきたい(新宅氏)」と語った。
また、1,980円でJava開発ツールを販売する点については「今までの価格では、個人ユーザーが導入するためには初期投資が辛かった。今回のような価格帯は、世界で初めての試みだ。今後アジアにも拡大していきたい」とコメントしており、「今回の提携によって、ギアを入れなおして、再出発としたい」と抱負を語った。
● 文房具感覚でソフトウェアも購入できるように
最後に松田社長は、今後の戦略として「スリムパッケージ化」を挙げた。これにより、ユーザーの持ち帰りやすさや管理面が向上し、「まとめ買いユーザーが増えた(同氏)」という。同社では現在50%のスリムパッケージ率を、2005年には100%にしたいとしている。
また法人市場への足掛かりとしては、PDF作成ソフト「いきなりPDF」のライセンス版を発表。1,000ライセンス以上の場合には1,386円のライセンス単価を実現しているという。法人向けソフトウェアは、2004年3月の45タイトルから2005年3月には100タイトルまで拡大したいとしている。
法人市場参入にあたり、松田社長は「ソフトは文具」をマーケティングコンセプトとして挙げ、「文房具感覚で利用できるソフトウェアの普及を図り、初年度売上10億円、5年後の売上200億円を目指す」と抱負を語った。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.sourcenext.com/
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( 大津 心 )
2004/06/17 18:02
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