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公取委、Microsoftに「非係争条項」の排除を勧告〜Microsoftは応諾を拒否


勧告の応諾拒否を発表するマイクロソフトの法務・政策企画統括本部長平野高志氏
 公正取引委員会は13日、米Microsoftに、独占禁止法違反の勧告を行なった。

 違反は、Windowsのライセンシーに対し、「Microsoftと他のライセンシーに、特許侵害を理由に訴訟を起こさない」ことを誓約させる「非係争条項」を締結し、ライセンシーの事業活動を不当に拘束したもの。同法第19条「不公正な取引方法」に基づく。

 これによりライセンシーは、自社の特許がWindowsに取り込まれてしまっても、特許侵害による訴訟を起こすことができず、損害賠償やロイヤリティーを受け取ることができなくなる。このため、技術開発の意欲が損なわれ、公正な競争が阻害されるおそれがあるとしている。

 同委員会の資料では、ライセンシーの一部が保有するAV機能に関する特許が、Windowsに侵害されている可能性があるため、ライセンシーが数度にわたり、Microsoftに対して非係争条項の削除/修正を求めてきたとしている。

 また、Microsoftは2月に非係争条項の削除を表明したが、現行及び過去の契約書において、契約の終了後も効力を有する非係争条項があるとしている。

 勧告諾否の期限は26日で、応諾された場合は審決となり、応諾されない場合は審判手続きが開始されるとしている。

 同委員会は2月に、Microsoftの日本法人であるマイクロソフト株式会社に、非係争条項に関する立ち入り検査を行なっている。

 また、'98年にマイクロソフト株式会社に対する排除勧告を行なっているが、米本社に対する勧告はこれが初めて。


Microsoftは応諾を拒否する声明を発表

 一方、米Microsoftは13日、公正取引委員会の排除勧告は応諾せず、審判手続きで意見を表明していくとする声明を発表した。声明によれば、過去に締結された契約に存在する非係争条項の効力は限定されたものであると考えるとしており、公正取引委員会の結論に対しては異議を表明するとともに、今後行なわれる審判手続きの中で、公正取引委員会に対してより詳細に説明するための機会が持てることを期待するとしている。

 会見を行なったマイクロソフトの法務・政策企画統括本部執行役の平野高志氏は、2月の立ち入り調査以降、公正取引委員会に対して同社の意見を述べてきたものの、今回の勧告には「まったく反映してもらえなかった」として、勧告には応諾せず、今後は審判手続きの中で意見を表明していきたいと語った。

 また、勧告の中でMicrosoftとメーカーとの交渉事例として挙げられた3件のケースについては、「今回の勧告において初めて見たものであり、以前の公正取引委員会との話の中でも私(平野氏)の知る限りでは出てこなかった話。内容については検討中」と述べた。

 今回の勧告による影響や、他社から特許訴訟を起こされる可能性については不明であるとしながらも、以前から特許に対する懸念がある場合にはMicrosoftに提示するように推奨してきており、そうした問題があればメーカーからすでに話が来ていたはずだと述べた。また、審判手続きは公正取引委員会とは独立して再度調査を行なうため、Microsoftの主張が受け入れられると期待しているが、納得のいく結論とならなかった場合には高等裁判所に進むことになると、争っていく姿勢を明らかにした。


関連情報

URL
  ニュースリリース(公正取引委員会、PDF)
  http://www2.jftc.go.jp/pressrelease/04.july/04071301.pdf
  ニュースリリース(米Micorosoft、英文)
  http://www.microsoft.com/presspass/press/2004/Jul04/07-13JFTCStatementPR.asp
  ニュースリリース(マイクロソフト、和訳)
  http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=1980

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( 田中真一郎/三柳英樹 )
2004/07/13 16:54

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