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米Amazon.comが新Webサービス、高収益のアソシエイトサイト開発が可能に


　米Amazon.comは4日、これまでのAmazon Web Services（AWS）をさらに強化した「Amazon E-Commerce Service 4.0」を無料公開した。同時に検索エンジンAlexaの情報をWebサービスを通して提供する「Alexa Web Information Service」のベータテスト公開を開始した。

　これまでAWSを使って多くのアソシエイトサイトが成功を収めているが、Amazon E-Commerce Service 4.0を使うことで、より強力なサイトを構築し、利益を上げることが可能になると期待される。

　Amazon E-Commerce Service 4.0の改良点は以下の通り。まずAmazon.comで販売されているすべてのカテゴリーの製品情報がWebサービスを通して入手できるようになった。これにはアパレル、宝石、グルメ、スポーツとアウトドア、楽器、ヘルスケアなどAmazon.comで提供されているさまざまな分野が含まれる。商品の画像約100万点もデータベースに加えられた。これまでは多くの商品で画像が提供されていなかったために消費者への訴求力が落ちていた。さらに、従来は1商品あたり3件に制限されていたカスタマーレビュー表示数が無制限になり、特定のレビュワーが書いたレビューだけにアクセスすることも可能となっている。

　また、簡単なキーワード検索しかできなかった点を改良。Amazon.comの「Advanced Search」に匹敵する検索機能を備え、商品説明に関する検索能力が向上した。より適切な商品を表示することが可能になっている。Amazon Wish Listも検索できるようになり、アソシエイトサイトを構築する際に売上を伸ばす大きな要因になると期待される。

　このようなビジネス面での機能向上だけでなく、技術面でも向上が図られた。APIのユーザビリティに注意が払われ、開発者はアプリケーションをより早く効率的に開発できるようになった。1つのリクエストに対して複数のデータを取得できるようになるなど、アプリケーションのパフォーマンスを向上させることができるだけでなく、エラーメッセージにも改善が加えられ、日本語のエラーメッセージも受け取れるようになった。さらにヘルプ機能が作り込まれているため、別のSDKドキュメントを見なくても済むようになり、開発者への負担が軽減されている。


　別に公開されたAlexa Web Information Serviceも注目だ。Alexaはインターネット上で独自の地位を占めるサーチエンジンで、100TB以上のデータを持ち、40億以上のWebページに関する情報を保持している。Internet Explorerに組み込まれている「関連情報」でよく知られているサーチエンジンである。

　今回公開されたWebサービスは、Alexaに対してWebサービスを使ってアクセスできるようにするものだ。例えば特定のWebサイトのトラフィックランキング、アダルトコンテンツの有無、表示スピード、関連するWebサイトのリンク集などを入手したり、そのサイトが含まれているブラウズカテゴリーを取得できる。さらに特定のWebページから出て行くリンクと入ってくるリンクをデータとして取得できるため、そのサイトが他のサイトとどのような関連で位置しているのかをデータとして見ることができる。Alexa Web Information Serviceはすでに、Amazon.comと同社のサーチエンジンであるA9.comが採用しているという。

　Alexa WebInformation Serviceはベータテスト公開期間中は無料で使用することができるが、正式公開の際に有料になる予定だ。これら新しいWebサービスはいずれも米Amazon.comでのみ提供されているが、Amazon.comはできるだけ早くAWSから新サービスへとアップグレードするよう勧めている。日本語でのエラーメッセージ表示にも対応しているため、AWSが提供されているAmazon.co.jpでも近いうちに公開されると考えられる。

関連情報

■URL
　 ニュースリリース（英文）
　 http://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml?c=97664&p=IROL-NewsText&t=Regular&id=622545&
　 関連記事：Amazon.comがWebサービスに～開発キットを無料配布
　 http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2002/0717/acws.htm

■関連記事
・ 【Web Services Conference 2003】
「Amazon Webサービス」で増加するAmazonの“支店”（2003/08/29）


（ 青木大我 taiga@scientist.com ）
2004/10/05 13:33

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