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ソフトバンク、ダイエーからホークス株取得~12月のオーナー会議で正式加盟へ


握手をするソフトバンクの孫正義代表取締役社長とダイエーの蓮見敏男代表取締役社長
 「やるからには世界選手権で優勝できる球団にしたい」――。ソフトバンクは30日、ダイエーと福岡ダイエーホークスの株式について譲渡契約を締結したと発表した。同日、日本プロフェッショナル野球組織(NPB)への加盟も申請。12月24日に予定されているオーナー会議の承認を待って、正式に株式が譲渡される見込みだ。

 発表によると、ソフトバンクは50億円でダイエーから福岡ダイエーホークスの球団株1,443万2,000株(全体の98%)を譲り受ける。このほか、福岡ドームの年間使用料48億円を含む株式会社ホークスタウンの株式150億円分を米投資会社コロニー・キャピタルから買収。総額200億円の球団買収となったが、チケットやグッズ販売などの興行権も手に入れたことになる。

 ソフトバンクの孫正義代表取締役社長は、「ホークスの年間売上高は170億円前後で、買収費用などを支払った段階でソフトバンクの野球事業は10億円程度の赤字だ」という。しかし、インターネットを利用した販売策で2~3割の売上増を見込んでおり、「今後の収支は均衡するはずだ」とコメント。球場に複数のWebカメラを設置し、ファンが見たいアングルから野球を楽しめるようにしたり、投手交代の際にファン投票を行ない、監督が参考にできるようにするなどのサービス案を披露した。

 孫氏はまた、「やるからには“世界選手権”で優勝できるような強い、それでいて愛される球団にしたい」と意欲を見せた。「わが国におけるプロフェッショナル野球を飛躍的に発展させ、もって世界選手権を争う」というNPBの野球協約を引用し、「オーナー会議でソフトバンクが正式に認められれば、メジャーリーグと日本のプロ野球のクラブチームによる世界選手権の開催を目指す」とコメント。「ホークスを世界選手権で優勝するチームにする」とした。また、野球界の構造改革にも挑むとし、「“感動”を売るというプロスポーツの原点にこだわり、『スタジアムの入場数水増し』や『スカウトの裏金問題』などをなくし、清く正しい環境作りに励む」という。

 なお、ダイエーによるホークスの優勝セールなど関連したセールは今後3年間に渡り継続する方針だ。ダイエーの蓮見敏男代表取締役社長は「ぎりぎりまでダイエーのみで株式を継続保有する方針を検討していたが、コロニー・キャピタルからソフトバンクの具体的な提案を受け、方針を転換した」とコメント。「孫社長と相談して、セールについては快諾をいただいたので一部をダイエーに残すよりは全株式を譲渡し、ソフトバンクに思い切った球団経営をしていただくことにした」と経緯を語った。

 今後の日程は、12月6日にNPBによるソフトバンクへのヒアリングが行なわれた後、20日のNPB実行委員会、24日のオーナー会議の承認を経て、2005年1月28日に正式譲渡となる。孫氏は王貞治監督にもすでに面会していることを明らかにしたが、球団首脳陣や球団名、ユニフォームなどについては決定次第発表するとしている。なお孫氏は、30日にソフトバンクBBが発表した「Yahoo! BB」の会員情報と称するデータが11月24日に外部から持ち込まれた件について、「しっかり説明すれば問題がないことを理解してもらえるはず」と正式譲渡への日程に影響はないとする見解を示した。


ソフトバンクの孫正義代表取締役社長 ダイエーの蓮見敏男代表取締役社長

関連情報

URL
  ニュースリリース(ソフトバンク)
  http://www.softbank.co.jp/news/newsrelease/2004release/041130_0001.html
  ダイエー
  http://www.daiei.co.jp/

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( 鷹木 創 )
2004/11/30 20:58

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