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専用リーダー/ライター「CLS-2」
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FeliCaポケットの位置づけ
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ソニーは、非接触のICカード技術「FeliCa」に対応した顧客サービスを低価格で導入できるアプリケーションソフト「FeliCaポケット」を開発した。専用のリーダー/ライターとパッケージで提供される。アプリケーションを設定するためのカードや、FeliCaポケット対応カード、iモード FeliCa用のiアプリが必要だが、「合計でも8万円程度で利用できる」(ソニー Felicaビジネスセンター営業部の納村哲二統括部長)としている。
FeliCaポケットは、FeliCaチップのFeliCa OS上で動作するアプリケーションソフト。ポイントやクーポンなどの各種サービスをフォーマット化し、専用のリーダー/ライターに設定用カードをかざすだけで会員向けサービスを設定できるという。なお、FeliCaポケットのプログラムサイズは約500バイト。FeliCaチップのメモリ共通領域に8サービス分の登録スペース「ポケット」を用意しており、カードタイプのFeliCaであれば最大20サービスまでポケット数を追加できる。
用意されたポケットは事業者の要望に応じて、他社のサービスを追加できる「オープン型」、サービス追加が不可能な「クローズ型」といった設定が可能だ。また、グループ会社のみサービスを追加できる「クローズ型・グループ展開」など条件を組み合わせた設定もできる。
ソニーではFeliCaポケットにあわせて、リーダー/ライター用のSIMモジュールを開発した。このモジュールは国際セキュリティ評価基準である「ISO 15408」における7段階の評価保証レベル「EAL」で「4+」の評価を得たという。
このSIMモジュールを搭載したリーダー/ライター「CLS-2」が2005月2月末に三和ニューテックから発売される予定だ。操作部と読み取り部が分かれたモデルで、RS-232Cコネクタを搭載し、POSなどのネットワークにアクセスできる。また、CFカードスロットを装備しており、CFカードタイプのフラッシュメモリを利用することでオフラインでも利用可能だという。CLS-2には大日本印刷が開発したCRMソフトも同梱し、RS-232Cやフラッシュメモリ経由で顧客データをPCに転送して顧客管理もできる。今後は、オムロンやNTTデータ、デンソーウェーブからも対応するリーダー/ライターが順次発売される予定だ。
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FeliCaポケットで定義するフォーマット
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FeliCaポケットに対応したSIMカード型モジュール
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ソニー Felicaビジネスセンター営業部の納村哲二統括部長
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価格はCLS-2が5~7万円。設定用カードは1ポケットにつき1枚必要で1枚7,000円。FeliCaポケット対応カードの発行費用は1枚につき数百円で、iモード FeliCaには専用のiアプリ(価格未定)で対応する。通常の電子マネーだけでなく、サービスの使用権を付与した「回数券カード」も発行可能で、この場合も回数券カードごとに数百円の発行費用が必要となる。
納村氏によれば、「極端な例だが、会員カードのシステムを1から構築すると1,500万円ぐらいかかる場合もある。また、リーダー/ライターもポイント機能だけのもので13~20万円ほどしていた」という。リーダー/ライターの価格を削減できたことについては、「FeliCaが非接触のシステムだから安くできた。目詰まりなどもなくメンテナンスの負担が減った」とコメント。「全国規模でチェーン展開する事業者も、近所のたこ焼き屋さんもやりたいことはほとんど一緒で、規模が違うだけ。事業者の行ないたいサービスをフォーマット化し、安価に早く提供することで、FeliCaを利用できる場所を増やしたい」としている。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200412/04-061/
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( 鷹木 創 )
2004/12/13 17:01
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