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総務省、新潟地震を踏まえた通信事業の災害対策を公表


ドコモのネットワークでは、地震直後、通常の45倍まで通話が殺到した
 総務省は、10月に発生した新潟県中越地震を踏まえて、今後電気通信事業者が取り組む大規模災害への対策を発表した。

 10月23日夕刻に発生した新潟県中越地震では、発生直後から新潟県内および全国から新潟県への通信が殺到し、繋がりにくい状況に陥った。交換機設備の機能維持や110番や119番など緊急通報を優先するため、各事業者では通信規制が実施された。

 また停電も発生したが、携帯電話基地局やNTT交換局では非常用電源を用いて対応した。一部の設備では、道路の崩落や陥没によって伝送ケーブルが切断され、利用できない状況となっていたが、翌日にはさらに停止した基地局数が増加した。これは、基地局自体がバッテリーで一定時間駆動していたものの、停電から回復する前に、陥没や崩落で現場にスタッフが駆けつけられず、バッテリーが尽きたためだ。

 これを受け、今回明らかにされた対策では、各基地局に備えられているバッテリー容量を再点検し、災害発生時に基地局にスタッフが到着する時間まで駆動することを目指す。また、市役所や警察署、災害対策本部など行政機関に近い基地局など重要度の高いポイントについては、バッテリーの駆動時間が延長できるよう求めている。このほか、事業者の支店にはポータブルタイプの発動発電機を配備していく。

 災害用伝言サービスについては、各社が連携し、他社が提供するサービスでも確認できるようにするなど、利便性の向上を図るほか、体験サービスの周知を図るとしている。このほか、固定網向けのIP電話サービスでは、固定電話との比較や災害時の輻輳対策などの検討を進めていく予定。

 このほか、各通信事業者が進めている各種対策への取り組み状況も明らかにされている。110番などの緊急通報を優先的に発信できる携帯電話は、各社とも導入済だが、3G対応機種については、KDDIは既に導入しているものの、ドコモは2005年春に、ボーダフォンは2006年秋以降に導入予定としている。

 携帯電話の通信ネットワークでは、ドコモがPDC方式(ムーバ)で導入している音声とパケット通信を個別に規制できる機能導入しているが、KDDIは来年春から導入予定で、ボーダフォンは現在導入を検討している段階だ。

 また災害用伝言サービスは、ドコモが導入済、KDDIは来年1月下旬から導入予定で、ボーダフォンは来年春の導入に向けて準備中としている。今回の対策には、伝言サービスを利用するよう、発信規制時に音声ガイダンスで呼びかける必要があるとしているが、ドコモは既に導入済で、KDDIも来年の早い段階で導入予定という。


関連情報

URL
  総務省
  http://www.soumu.go.jp/s-news/2004/041222_2.html

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ドコモとNTT東日本、新潟県中越地震への対応状況を説明(2004/11/01)


( 関口 聖 )
2004/12/22 17:09

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