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米Microsoft、スパイウェア対策ソフトのベータ版無料ダウンロードを開始

~英語版のみ提供、日本語版の提供は未定

Windows AntiSpyware
 米Microsoftは6日、同社による初のスパイウェア対策ソフトである「Windows AntiSpyware」ベータ版の無料ダウンロード配布を開始した。2004年12月に買収したGIANT Company Softwareの技術に基づいて開発された製品で、英語版のみ提供。Windows XP/2000のほか、Windows Server 2003に対応する。

 Windows AntiSpywareは他のウイルス対策ソフトと似た操作感で使用できる。ローカルPCの中のメモリ、ファイル、レジストリをスキャンし、データベースに登録されているスパイウェアを探知・除去できる。常駐させることで50以上のセキュリティチェックポイントを絶えず調査し、ソフトウェアがダウンロードされたり、ダウンロードされたソフトウェアが問題のある動作をしかけると警告を発し、そのソフトウェアの動作を続けさせるかどうかユーザーに確認を求める。

 新しいスパイウェアは次々に現われるため、それぞれのスパイウェアを探知するためのシグネチャをアップデートしなければならない。そのため、Microsoftの研究者だけがスパイウェアを発見するのではなく、スパイウェア除去ためのコミュニティ「SpyNet」と協力。SpyNetが発見した怪しい挙動のソフトウェア情報をもとに、より早くスパイウェアを発見できるようにしている。また、SpyNetに関心がある人はWindows AntiSpywareのメニューからSpyNetに参加し、怪しげな挙動をするソフトの情報を英語で報告できる。

 Windows AntiSpywareをインストールする際には、正規のWindowsを使用しているかどうかを確認するActiveXコントロールをインストールする必要がある。なお、Windows AntiSpywareは、動作テストおよびユーザーからのフィードバックを目的として公開されており、ユーザーはMicrosoftのテクニカルサポートを受けることはできない。万が一本ソフトを利用してWindowsに障害が発生した場合、本ソフトのアンインストールまたはシステムの復元を実行することを推奨している。また、Microsoftの国内法人によれば日本語版の提供は未定で、英語版の日本語環境下での動作検証は完了していないという。


 Microsoftではこの発表にあわせて、1月11日からBlasterやMydoomなど主要なウイルスを除去できるツールをWindowsUpdateを通して提供することを発表した。こちらの除去ツールは2003年にMicrosoftが買収したGeCADソフトウェアの技術をもとにしている。

 今回のMicrosoftの発表を受け、6日の米国株式市場においてセキュリティ対策ソフトを開発している米Symantecや米McAfeeの株価は下落した。Symantecの株価下落には最近のVeritas社買収の影響も考慮する必要があるが、“巨人”Microsoftがベータ版とはいえ無料でセキュリティ関係のソフトを提供することは、セキュリティ業界に大きな影響を与えると言えるだろう。


関連情報

URL
  ニュースリリース(英文)
  http://www.microsoft.com/presspass/press/2005/jan05/01-06NewSolutionsPR.asp
  スパイウェア対策の戦略(英文)
  http://www.microsoft.com/presspass/features/2005/jan05/01-06Spyware.asp
  ダウンロードページ(英文)
  http://www.microsoft.com/spyware/

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Microsoftがスパイウェア対策企業買収、Windowsユーザーにソフト提供へ(2004/12/17)


( 青木大我 taiga@scientist.com )
2005/01/07 12:15

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