WIDEプロジェクトは13日、2004年11月に東京大学などと共同で行なった通信実験の結果が、米国の学術ネットワーク組織「Internet2」によりインターネットのデータ転送記録「Internet2 Land Speed Record」として認定されたと発表した。実験はスイスのCERNと米国のピッツバーグを東京を経由する形で行なわれ、認定された通信距離は20,675km、データ転送速度は7.21Gbpsとなっている。
実験は2004年11月に東京大学、富士通コンピュータテクノロジーズ、WIDEプロジェクト、チェルシオ・コミュニケーションズの研究者が実施したもの。スイスのCERNに設置したサーバーから、アムステルダム-シカゴ-シアトル-東京-シカゴと経由して、ピッツバーグに設置したサーバーと接続。2つのサーバーの間で、7.21Gbpsというデータ転送速度を達成した。
Internet2 Land Speed Recordは、インターネットを用いたデータ転送能力を「データ転送距離×転送速度」で評価するもので、カテゴリーはIPv4とIPv6について、TCPの単一ストリームと複数ストリームのクラスに分けられる。
今回認定されたのはIPv4のTCP単一ストリームに関する記録で、2つのサーバー間の距離は機器間の距離の合計では31,248kmとなるものの、Internet2 Land Speed Recordのルールにより距離は20,675kmとして計算。これに転送速度の7.21Gbpsを掛けた148,850テラビット・メートル/秒が記録として認定された。日本の研究チームが速度記録として認定されたのは初めてのこととなる。
また、今回の記録は従来とは異なり、標準のEthernetパケット長(1,500バイト)と標準のTCP通信方式を用いていることが特徴で、10ギガビットネットワークの高効率利用が特殊な方式なしで実現することを示したとしている。
関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.wide.ad.jp/news/press/20050113-LSR-j.html
Internet2 Land Speed Record(英文)
http://lsr.internet2.edu/
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( 三柳英樹 )
2005/01/13 19:59
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