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XMDFの意義
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シャープは21日、同社が開発した電子書籍フォーマット「XMDF」の現状と今後の取り組みについての記者懇談会を開催した。XDMFは、PCや携帯電話、PDAなどで電子書籍を読むための電子書籍フォーマット形式の1つで、画像や音声、動画、Webサイトへのリンク機能などをサポートする。閲覧には、シャープが無償で提供している「ブンコビューア」が必要となる。
シャープ研究開発統括兼技術本部長の太田賢司常務取締役は、「液晶世界ナンバーワン企業を目指すシャープでは、液晶応用商品を普及させるために表示用インターフェイスの向上を重視してきた」と、同社の研究開発におけるXMDFの位置付けを説明。さらに、「コンテンツを見やすくしたい、端末の操作性を向上させたい、家でも屋外でも同じコンテンツを見続けたい、というニーズに応えるために開発されたものがXMDFだった」と、XMDFの意義を語った。
続いてXMDFの普及状況に触れ、XMDFビューアを搭載する端末は2004年3月までに累計1,000万台に達すると予測。XMDFコンテンツを提供する出版社は85社、7,000タイトルが発行されている。
XMDFの利便性としては、SDメモリカードを用いることで異なる端末で同じ書籍を読めることを大きな特徴として挙げ、「PCで読んだ続きを携帯電話で読む」といった使い方を提案した。現在、60機種にXMDFビューアが搭載されており、同社技術本部デバイス技術研究所第五研究室の北村義弘室長によると、「携帯電話、液晶テレビ、電子辞書で同じ書籍が読めるのはXMDFだけ」という。
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XMDFの普及状況(搭載端末数)
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XMDFの利便性
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太田賢司常務取締役は、シャープの研究開発におけるXMDFの位置づけを説明した
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北村義弘研究室長は、「携帯電話、液晶テレビ、電子辞書で同じ書籍が読めるのはXMDFだけ」とコメントした。
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また、著作権保護機能としては、暗号化によって書籍の不正な転用を防止するほか、改ざんを行なった際は、書籍を開けなくする改ざん防止機能を採用している。XMDFコンテンツはコピーが可能となっているが、書籍購入時に「いつ、どこの電子書店で買ったか」といった情報をコンテンツに盛り込む「フットプリント」によって、不正流通を行なったユーザーの割り出しを可能とした。北村氏によると、「フットプリントが不正流通の抑止力になる」という。
XMDFの今後の取り組みとしては、PC上のオフィスドキュメントをXMDFに自動変換するソフトを開発していることを発表したほか、電子マニュアル、eラーニング、マンガ・コミックといったジャンルを増やすことで、XMDFの普及に力を入れていきたいとコメントしている。
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XMDF書籍のジャンル
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今後はXMDF簡易変換ソフトの開発を進める
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関連情報
■URL
シャープ
http://www.sharp.co.jp/
シャープ 電子書籍について
http://www.spacetown.ne.jp/menu21/books/what/xmdf.html
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( 増田 覚 )
2005/01/21 18:44
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