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「ディノスのネット通販の売上が年間110億円規模に」経産省の通販研究会


 経済産業省は24日、「通信販売の新たな課題に関する研究会」の第3回会合を開催した。迷惑メール対策案を取りまとめたほか、出席した研究会委員による通信販売に関するプレゼンテーションも行なわれた。


インターネット通販の年間売上が110億円に〜ディノス

 「コールセンターに入電したユーザーの苦情をメールマガジンとして全社員に配信している」と語るのは、ディノスの代表取締役会長を務める石川博康委員。「メールによる配信で、現場の状況が経営陣にも届くようになった」。また、情報共有だけでなくSC(Solution Committee)委員会という問題解決のための専門委員会も設置して、配送や検品などの問題を解消していったという。

 ディノスでは、テレビ通販のほかにインターネットを通じた通販も展開。各サービスに応じてクレームも異なり、テレビでは時間的な制約から「商品の映像が直ぐに消えてしまう」というクレームが多く、インターネットではセキュリティや個人情報保護に関する不安が多いという。

 石川氏は、テレビ映像の“揮発性”については自社Webサイトに紹介した製品の画像を掲載するなどの解決策を提示。しかし、この“揮発性”を根本的に解決するには、「デジタル放送による双方向データ通信に期待する」との見解を示した。また、インターネット上での通販に関しては「ファイアウォールを設置し、システムを見直すなどのセキュリティ対策を行なった。今後はプライバシーマークを取得する予定で、社員教育や取引先との契約を見直す」という。

 なお、ディノスの年間売上高はテレビ通販で122億8,000万円で、インターネット通販では110億円に達した。また、携帯電話向けサイトの2004年第3四半期の売上高は4億5,000万円だという。「携帯サイトの売上は倍増ペースで増加している。今後は通販サービス全体で、後払いの回収不能率を0.4%以下にしたい」とコメント。「インターネット上の電子決済に移行できれば、現在よりも詐欺を防げるのではないか」と指摘した。


国内では急激にキャッシュレス化が進展、安全な決済のために業界横断的な対応を

 金融機関に対してシステム構築に関するコンサルティングを行なうフューチャーフィナンシャルストラテジーの代表取締役社長である富樫直記委員は、キャッシュレス化が急速に進む国内の状況を解説する。

 富樫氏によると、国内のキャッシュレス化はブロードバンドの急速な進展という通信インフラの要因と、不良債権処理に関連した個人顧客(リテール)重視という金融機関の要因が重なり合って発生し、「世界に類を見ない急激な変化」だという。

 特に国内金融機関ではこれまで、基幹系システムや貨幣を供給するシステムにおける高コスト体質から「リテールは赤字」が常識だった。しかし、富樫氏は技術革新による基幹システムのコスト削減や、チケット機能やSuica機能を融合した「世界でも珍しい」ICカードの出現によるキャッシュレス化で、リテールでも利益が生まれる可能性が高まったと分析する。

 「SuicaやEdyなどストア型の決済手段とクレジットカードなどのアクセス型決済手段が融合した『ビュー・スイカ新銀行東京』『東京三菱銀行 スーパーICカード』や、iモードFeliCaといった携帯電話と電子マネーが融合するケースも見られる。金融機関の努力によって、エンドユーザーの利便性が高まれば、現金好きな国民もキャッシュレス化が一層進むのではないか」。

 決済のキャッシュレス化に伴う急激な変化に行政や業界がどのように対応すべきなのか。富樫氏は、「キャッシュレス化はモノ・サービスだけでなく、金融業界の要因、通信業界の要因で進展している。各業界の動きが複合的に消費決算を変革させるつつある状況で、安全性への影響を予測し、各業界の関係者が適切に対応していくことが大事だ」と横断的な法制度の必要性を示した。

 具体的には、英国における投資者保護を目的とした「金融サービス法」(1986年)から、銀行・生保・投資と分けていた法律を横断的にまとめて、消費者保護を目的とした「金融サービス市場法」(2000年)の成立を引き合いに、国内の金融庁の「金融改革プログラム」を解説。同プログラムでは、銀行だけでなく投資・保険なども言及しており、個人情報保護ルールや、偽造カード犯罪防止対策も明記している。「金融サービス市場法までには英国ですら16年かかったが、急速に変革されていく国内状況を鑑みてスピーディに対応を進めて行く必要がある」と述べた。


ブログやSNS、MMORPGを利用したECが新しい流れ

 ITを活用したビジネス分野のコンサルティングを行なうD4DRの代表取締役社長を務める藤元健太郎委員は、従来のECと近未来におけるECを説明した。「これまでのECは、楽天のようなショッピングモールに店舗となるWebサイトを設置するか、Yahoo! JAPANのようなポータルに掲載されるか、もしくは検索エンジンにヒットするようなサイト作りをすることが顧客を呼び込むポイントだった」。しかし、藤元氏によれば、今後のECでは、ブログに掲載されたアフィリエイト広告や、SNSにおけるクローズドな紹介制ビジネスが注目されるという。

 藤元氏は「例えば、有名人のブログや、有名人でなくても商品を詳しく説明しているブログであれば、そこのアフィリエイト広告から購買する行為は普通のことになりつつある」と説明。「アフィリエイト広告はユーザーにとってはECサイトへの新しい窓口だ」とし、国内最大手の楽天がブログサービス「楽天広場」を提供しているのは戦略的に意味があるとした。

 ただし、「当初はお金を儲けることが目的ではなかったが、アフィリエイトでお金儲けを意識してしまうと、広告主の商品を誇大に説明するブログも今後増えてくるのではないか」との懸念もあるという。

 このほか、MMORPGを利用したECにも言及。交際していた男性のIDやパスワードを使ってMMORPG「リネージュ」に不正アクセスし、ゲーム内のアイテムを消した女性の事件や、韓国を初めとする諸外国で行なわれているRMT(Real Money Trade)などの現状の問題点を指摘しつつ、「オンラインゲームは非常にリアルなものもあり、アイテムも現実同様に売買されるケースがある」と解説した。

 上記リネージュの場合は、不正アクセスで書類送検されてしまう事件となってしまったが、一部MMORPGではゲーム内にショッピングモールを設置し、アイテムの売買が可能なものもあるという。具体例として、ゲーム内に34のEC店舗が出店しているというシークレットガーデンのMMORPG「女神幻想ダイナスティア」を挙げ、「従来のカタログやWebサイトを利用したECとは全く異なる手法だ」と指摘。「MMORPG-ECは有望分野で、注目している」とコメントした。


関連情報

URL
  通信販売の新たな課題に関する研究会
  http://www.meti.go.jp/policy/consumer/tsuuhankenkyuukai/main.html

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( 鷹木 創 )
2005/01/25 10:52

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