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A9.com Yellow Pagesの検索結果表示ページ。写真がある店舗はサムネイルが表示される
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米Amazon.comの子会社で独自のサーチエンジンを開発している米A9.comは27日、店舗検索サービス「A9.com Yellow Pages」のベータ版を公開した。
Yellow Pagesでは、場所(「New York」など)と業種(「Bakery」など)を入力すると、指定した距離内の店舗をすべて検索表示してくれる。しかし、最も驚かされるのは、一部の店舗については店舗の外観写真が掲載されていることだ。これらの写真は、トラックにデジタルカメラを搭載し、GPSと連動させながら実際に街中を走り回って撮影したもので、Yellow Pagesに掲載できるようにソフトウェアで自動的に画像編集されたという。
現在、店舗写真が掲載されているのはアトランタ、ボストン、シカゴ、ダラス、デンバー、ロサンゼルス、ニューヨーク(マンハッタン地区)、ポートランド、サンフランシスコ(ベイエリア)、シアトルなどに限られているが、それでも合計で2,000万枚以上の画像が登録されているという。これらの地域では店舗写真が表示されるだけなく、その通りにある他の店舗の一覧も表示される。バーチャルな世界で道路を行き来するような感覚で“ウィンドウショッピング”ができてしまうわけだ。
Yellow Pagesの説明ページでは、トラックにデジタルカメラを積んで街の様子を撮影している作業の動画を公開している。現在はまだ広い米国内の一部をカバーしているに過ぎないが、将来的には米国中をトラックで走り回り、全域をカバーする目標だという。
各店舗の情報ページには、詳細な地図と電話番号が掲載されており、ワンクリックで電話をかけられたる(米国内に限られる)。また、店舗側で用意した情報も無料で掲載可能だ。このページは、実際にはAmazon.comの「Book」や「Jewery」などと同じタブの1つとして扱われているため、他の商品と同じようにカスタマーレビューを表示したり、過去にAmazon.comで購入した商品に応じたお薦め商品の情報も提供される。実存する商店街とインターネット上のAmazon.comが深く結び付いた格好だ。なお、店舗写真が表示されない地域では「No Images」と表示されるが、他の店舗情報は電話帳と同じように表示される。
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各店舗の情報ページ。店舗写真、地図、電話番号などが掲載されている
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店舗写真のそばにある左右の矢印をクリックすることで、通りを“行き来”できる
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各店舗の情報ページは、Amazon.comのタブの1つとして表示される
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ページの上部には、Amazon.com内の同じ商品カテゴリへのリンクもさりげなく表示
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地域密着型の検索サービスは“ローカルサーチ”と呼ばれ米国で流行しているが、A9.com Yellow PagesはAmazon.comの店舗と密接に関係している点が特徴だ。検索した商品によっては、Yellow Pagesに掲載されてるリアルな店舗ではなくAmazon.comで購入される可能性もあり、ライバル関係になることもありそうだ。
現時点でYahoo!など数社がローカルサーチを提供しているが、A9.comがカバーしている米国内の10都市では明らかにA9.com Yellow Pagesのサービスに大きな特色がある。サーチエンジンとしてまだ知名度の低いA9.comが健闘する余地が出てきた。それだけでなく、Amazon.comという巨大店舗を有する利を生かして、広告収入に依存しない、実際の売上に結び付くサーチエンジンのあり方を示していると言えるかもしれない。
関連情報
■URL
A9.com(英文)
http://a9.com/
ニュースリリース(英文)
http://toolbar.a9.com/-/company/media/index.jsp
撮影風景の動画掲載ページ(英文)
http://a9.com/-/company/YellowPages.jsp
■関連記事
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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2005/01/28 13:20
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