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インターネットで特許出願〜特許庁が全国各地で説明会


 特許庁は31日、東京都港区のメルパルクホールで「インターネット出願説明会」を開催した。特許庁総務部情報システム課の安田和夫氏が実施スケジュールや専用ソフト「インターネット出願ソフト」などについて解説した。なお、同説明会は1月12日から大阪府をはじめ、全国各地で行なわれている。

 インターネット出願とは、インターネットを利用して特許の出願が可能になる制度。特許庁では従来からISDNを利用した電子出願制度を運用していたが、国内インターネット環境のブロードバンド化に伴い、ユーザーからの要望が高まったとし、2005年10月からインターネット出願の実施を決定している。なお、インターネット出願の専用ソフトは8月から事前登録用に機能限定版が、9月下旬には正式版が公開される予定だ。これまではソフトのインストール用にCD-ROMを申し込む必要があったが、オンラインでダウンロードできるようになる。対応OSはWindows XP/2000。


インターネット出願ではセキュリティを強化、電子認証やSSLを実装

特許庁総務部情報システム課の安田和夫氏
 安田氏は「これまでの電子出願制度ではISDNによって特許庁と申請者を1対1で結んでいたが、インターネットを利用するとなるとセキュリティ面を強化しなければならない」と説明。インターネット出願の専用ソフトでは、政府認証基盤(GPKI)を用いた電子認証を導入し、SSLによる暗号化通信をサポートしたという。

 インターネット出願の利用には、GPKI対応の電子証明書を事前に特許庁に登録する必要がある。安田氏は「認証基準を策定中なので、はっきりしたことはいえない」とした上で、対応する電子証明書として、個人向けには日本認証サービスの「AccreditedSign パブリックサービス2」(2年間18,000円)と日本商工会議所の「一般行政手続用電子証明書(タイプ 1-E)」(2年間14,700円)を例示。法人向けとしては、法務省電子認証登記所の「商業登記用電子証明書」(2年間15,100円)を示した。

 これらの証明書はGPKI対応に加えて、ブリッジ認証局の運用規定(CP/CPS)で特許庁が利用可能であること、暗号技術「PKCS(Public Key Cryptography Standard)#12」への対応といった特許庁側の条件を満たしている。なお、住民基本台帳カード(住基カード)による公的個人認証サービスの電子証明書は、現在のところインターネット出願では利用できない見込みだ。安田氏によれば「住基カードの電子証明書も技術的基準を満たしてはいるが、特許出願が『電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律』で規定されている利用用途に含まれていないため、利用できないのが現状だ」という。「公的個人認証の電子署名は比較的安価なので、総務省への働きかけを継続して行なって将来的には利用できるようにしたい」と述べた。


インターネット出願ソフトの開発コンセプト 本人認証のデモンストレーション。画像はPCに紐付いた「Pin」というパスワードを入力するシーン

インターネット版での国際出願は当面できず。2006年4月ごろに対応予定

出願手数料の電子現金納付にも対応。「ペイジー」に対応した口座から手数料を納付できる
 なお、出願に関連するデータの送受信プロトコルはWIPO(世界知的所有権機構)の「InterOperability Protocol」に対応したが、国際出願に関しては対応を見送った。安田氏は「諸般の事情で開発が遅れている。2006年4月ごろには国際出願にも対応するが、現状では従来のISDN版専用ソフト『パソコン出願ソフト』を利用してほしい」とコメント。こうした状況にも配慮し、当面はISDN版とインターネット版のサービスを並行運用するという。

 このほか、出願手数料の電子現金納付にも対応。電子決済サービス「ペイジー」に対応した対応した銀行口座などを使って、インターネットバンキングを利用して財務省に手数料を納付できる。なお、こちらの機能はコンポーネントとして提供されるため、従来のISDN版専用ソフトに追加することも可能。また、10月にリリースされるISDN版の最新バージョンにも搭載される。

 安田氏は「ISDNでは3.8MB程度の出願データで10分程度の伝送時間が必要だった。1.2Mbpsの上り回線を利用すれば、1分30秒程度で送信できる」とデモンストレーションを交えて説明。「これまでは最大20MBの書類までしか送れなかったが、インターネット版であれば最大200MBまで送信できる。ぜひブロードバンドに対応したインターネット版を利用してほしい」と呼びかけた。

 特許庁では、インターネット出願説明会を順次開催する。次回は2月2日の香川県高松市の香川産業頭脳化センター。京都府京都市の京都リサーチパーク(2月4日)、福岡県福岡市のパピヨン24(2月9日)、埼玉県さいたま市のソニックシティ(2月16日)での開催も予定されている。


関連情報

URL
  インターネット出願説明会の開催について
  http://www.jpo.go.jp/torikumi/ibento/ibento2/net_setumei.htm

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( 鷹木 創 )
2005/01/31 18:41

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