スパイウェアの中でも最も危険なものとされるシステムモニターやトロイの木馬が2004年中に大幅に増加し、一般ユーザーのPCの中で発見されるようになったことが、米大手ISPのEarthlinkと米Webroot Softwareが共同で発表したレポートで明らかになった。
このレポートは、2社が一般ユーザーに無料配布したスパイウェア発見ソフト「SpyAudit」によって検出されたデータを集計したもの。これによると、調査開始の2004年1月1日以降、システムモニターの発見率は230%増加し、トロイの木馬は10月以降だけで114%増加したという。システムモニターやトロイの木馬がインストールされていると、キーボードに入力した文字が読み取られたり、スクリーンショットを盗み見られる。結果として銀行の口座番号やログイン名、パスワード、クレジットカード番号などの重要な個人情報が流出する可能性がある。
スパイウェアに対する認識が高まるにつれて、ユーザーがPCをスキャンする回数も増加している。2004年の第1四半期には約70万件だったが、第4四半期には約140万件に倍増した。その結果、第1四半期に発見されたシステムモニターは約12万件、トロイの木馬は13万件だったが、第4四半期にはシステムモニターが27万件以上、トロイの木馬も25万件以上発見されている。通年ではシステムモニターは約76万件、トロイの木馬は約77万件発見された。
調査結果を受けてEarthlinkのMatt Cobb副社長は「検査数が明確に示しているのは、スパイウェアがインターネットで最も危険な脅威に急速になりつつあるということだ」とコメントしている。
関連情報
■URL
調査結果(英文)
http://www.earthlink.net/spyaudit/press/
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( 青木大我 taiga@scientist.com )
2005/02/03 11:58
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