総務省の情報通信審議会は22日、NTT東西の2004年度の接続料の事後精算について募集していたパブリックコメントの結果を発表した。ソフトバンクBBや日本テレコム、KDDIなど6社から4件の意見が寄せられたが、トラフィックの変動による事後精算を行なう制度自体を問題視する意見で占められた。
NTT東西では、加入者交換機(GC)を経由したトラフィックが基準となる2001年度下期~2002年度上期と比較して36.9%減少するとの算定結果から、2004年度の接続料について、認可時の3分あたり4.37円から5.18円に引き上げて事後精算するための接続約款の変更を総務省に認可申請していた。事後精算制度は、省令やNTT東西接続約款変更認可により実施が規定されているものだ。
この変更について今回のパブリックコメントでは、NTT東西に接続料を支払う通信事業者側から、1)トラフィックが増加傾向だった場合には精算されず、減少傾向に転じた場合に精算されるのはバランスを欠いている、2)他社のトラフィック動向によって精算額が左右され、業績が変動してしまうため、事業計画が立てられない──との問題があることから、事後精算を行なう制度自体が接続ルールの趣旨に反するなどの指摘が上がった。
このほか情報通信審議会では、同じくNTT東西から認可申請のあった2005年度の接続料の設定についてのパブリックコメントの結果も発表した。GC接続料を3分5.32円などと設定するものだが、これについても通信事業者10社から、案に反対または再検討を求める意見やトラフィックデータの開示が必要だとする意見が寄せられた。
情報通信審議会ではパブリックコメントの結果をふまえて審議し、認可すべきかどうかについて総務大臣に答申する予定だ。
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■URL
ニュースリリース
http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/050322_3.html
ニュースリリース
http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/050322_4.html
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( 永沢 茂 )
2005/03/23 16:16
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