東京医科歯科大病院は29日、患者約50名分の検査結果などの個人情報がインターネット上に流出したことを明らかにした。
同病院の医師が自宅で使用していたPCが、P2Pファイル交換ソフト「Winny」の新種ウイルスに感染して個人情報が流出したとみられる。医師は学会で報告する資料作成のために、病院からメモとフロッピーディスク1枚を持ち帰っていたという。なおWinnyの新種ウイルスとしては、PCに保存されている情報を外部に流出するトロイの木馬型ウイルスが3月に入ってから複数検出されている。
流出したのは、2000年8月から2003年3月に「針生検検査」という病巣検査を受けた患者の検査結果データ約50名分で、毎日新聞社からの指摘で判明した。流出したデータの中には、患者のカタカナ書きの氏名とID番号、直腸かいようを内視鏡で撮影した写真1枚、患者に示す検査の説明文のほか、医師のPCに保存されていた会合の案内などが含まれていた。同病院は28日、病院情報処理システム利用者登録から医師を抹消処分したという。
同病院ではWinnyを使用できないが、病院外での使用については規制をしていなかった。現在、「今回流出した検査結果データや画像に記載されている個人名について調査中。該当する患者に対しては個別に状況を説明する」としている。
関連情報
■URL
東京医科歯科大学医学部付属病院
http://cmi12.med.tmd.ac.jp/
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( 増田 覚 )
2005/03/29 14:59
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