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2004年は合法的な音楽配信のターニングポイント〜OECD調査


 経済協力開発機構(OECD)は13日、デジタル音楽配信に関する調査報告書「OECD Report on Digital Music: Opportunities and Challenges」を発表した。

 報告書によれば、OECD加盟国のインターネットユーザーのうち、3分の1がP2Pネットワークによってファイルをダウンロードしている。2004年10月には約1,000万ユーザーが同時にP2Pネットワークにアクセスしたという。

 また、P2Pファイル交換ソフトについては「革新的で将来性のある技術」と評価しつつも、多くのユーザーが音楽ファイルだけでなく動画ファイルまでも不正に交換してしまっていると指摘。1999年から2003年にかけて音楽業界が20%減収したことと、P2Pファイル交換ソフトの因果関係は明らかではないが、デジタルの海賊行為が合法的なオンラインコンテンツ市場の成功を妨げてしまった恐れもあるという。

 報告書では「2004年は、合法的な音楽配信が利用可能になったターニングポイントの年だ」と位置付けている。欧米では、2004年までに230もの音楽配信サイトがオープンした。とはいえ、現在の音楽配信では、レコードレーベルが主に直接的な利益を得る一方、音楽配信を行なうプロバイダーのマージンは低水準か、もしくはマージンを得ることのできない構造で、卸売や小売価格の設定に疑問を呼んでいる状況だという。

 音楽配信の売上は現在、全売上の1〜2%を占めているに過ぎない。しかし、2008年には3〜5倍に成長し、売上の5〜10%を占めるようになると予想。加えて、家電・PCメーカーや通信事業者、DRMソフトベンダーなどのデジタル流通業者には明らかな経済的効果もあるという。

 音楽配信の課題としては「標準と技術的な相互運用性」「知的所有権の保護」「DRM」の3つを挙げた。標準と技術的な相互運用性については、互換性のないオーディオフォーマットやDRM、ハードウェアデバイスが多すぎるため、音楽配信の成長が抑圧されていると指摘。ユーザーを迷わせない独占的な標準技術を用いて、小規模な企業や創造的な企業が競争できる市場を整えるべきだとした。

 知的所有権の保護に関しては、インターネット上の海賊行為を明確にするような政府の政策が重要だという。また、インターネット上でコンテンツの中継を行なう複数の流通業者間においても著作権の責任を確立させる公共政策が必要だ。

 DRMについては、「新しいコンテンツのビジネスモデルに必要不可欠」としながら、現状では不正利用の防止には失敗していると指摘。透明性やプライバシー、料金面などの問題があるとしている。


関連情報

URL
  ニュースリリース(英文)
  http://www.oecd.org/document/24/0,2340,en_2649_34487_34995480_1_1_1_1,00.html
  OECD Report on Digital Music(英文)
  http://www.oecd.org/document/46/0,2340,en_2649_34487_34994926_1_1_1_1,00.html

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( 鷹木 創 )
2005/06/14 18:05

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