総務省が28日に発表した2005年版の「情報通信に関する現状報告(情報通信白書)」では、2001年にスタートしたe-Japan戦略によって「現状では、世界で最も低廉かつ高速なブロードバンド環境が実現している」ことがあらためて報告されたが、このようなインフラ面の整備が急速に進むのに伴い、日常生活にも変化が生じていることを示すデータが紹介されている。
● インターネットを利用するようになっていちばん減ったことは……
白書では「国民生活の変化」として、連絡手段が固定電話から携帯電話やIP電話へ、郵便からメールへシフトしていることや、インターネットの利用に伴い睡眠時間やテレビを見る時間、雑誌を読む時間などが減少していることを紹介している。
総務省が富士通総研に委託してインターネット利用者を対象に1月に行なったWeb調査よると、2年前と比較して「パソコンの電子メール」(48.3%)、「携帯電話・PHS(電子メール)」(30.4%)、「携帯電話・PHS(通話)」(22.3%)、「IP電話(17.9%)、「インターネット上の掲示板」(17.3%)などの利用が増加しているとした人が多かった。一方で「手紙・葉書」(-43.5%)、「固定電話」(-39.2%)、「ファクシミリ」(-20.9%)は利用が減少したと回答した人が多かった(数値は、各手段に対して利用が「増加した」と回答した人の割合から「減少した」と回答した人の割合を差し引いたもの。事項も同様)。
生活時間や行動頻度については、同じく2年前と比較して増加していると回答した人が多かったのは「家族との連絡回数」(17.2%)、「友だちとの連絡回数」(16.5%)などだった。減ったとした人が多かったのは「睡眠時間」(-43.2%)、「テレビを見る時間」(-35.7%)、「雑誌を読む時間」(-32.5%)、「友だちと対面で話す時間」(-22.3%)、「買物をする時間」(-19.1%)、「家族と対面で話す時間」(-18.6%)、「新聞を読む時間」(-17.9%)、「外出する回数」(-13.3%)などが挙がっている。家族や友人と連絡する頻度が増加している一方で、対面で話す時間が減少する傾向にあることがわかる。
関連情報
■URL
総務省 情報通信統計データベース 情報通信白書
http://www.johotsusintokei.soumu.go.jp/whitepaper/ja/cover/index.htm
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( 永沢 茂 )
2005/06/29 21:42
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