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自殺サイトのフィルタリング要請へ、政府が有害情報対策


 政府は30日、集団自殺志願者サイトや爆発物の製造に関するサイトなど、インターネット上の有害情報への対策を発表した。フィルタリングソフトの普及を図り、プロバイダーによる自主規制の支援などを行なうとともに、モラル教育の充実、相談窓口の充実などを図るとしている。

 政府は6月14日に、インターネット上の有害情報などへの対策について検討を行なう「インターネット上の違法・有害情報等に関する関係省庁連絡会議(IT安心会議)」を設置。内閣官房や総務省、経済産業省、文部科学省、警察庁など関係省庁による対策をとりまとめた。

 今回発表した対策は、1)フィルタリングソフトの普及等、2)プロバイダーによる自主規制の支援等、3)違法・有害情報対策に関するモラル教育の充実、4)相談窓口の充実等――の4点が柱となっている。

 フィルタリングソフトの普及については、国や地方公共団体、学校などの公的機関が管理する公共端末についてフィルタリングソフトの利用度を総点検し、利用していないものについては財団法人インターネット協会などの協力により、早急に導入を図るとしている。また、学校、PTAと協力して、子供のいる家庭を重点にフィルタリングソフトの活用等の啓発を行なう。

 フィルタリングソフトの開発事業者などに対しては、自殺サイト、爆発物サイト、偽札サイト等をフィルタリングの対象とするよう要請する。また、新しいフィルタリング技術の開発を進め、携帯電話向けのフィルタリング技術や、動画やゲーム、掲示板、チャットなどにも対応したフィルタリング技術の研究・開発、実用化を行なう。

 プロバイダーによる自主規制の支援等については、自殺サイトの開設者や掲示板の書き込みなどの情報について、警察がプロバイダーに対して発信者情報の開示を求める手続きや、プロバイダーが情報開示を行なう際の判断基準について早急にとりまとめる。

 爆発物や偽札などの違法・有害情報については、プロバイダーによる自主的措置およびこれを効果的に支援する方策等について検討するため、学識経験者やプロバイダーなどからなる研究会を7月をめどに設置する。また、サイトの内容を事前に判断できる仕組みの開発・研究を行なうほか、コンテンツ事業者等による自主的措置のあり方についても研究会を8月をめどに設置する。こうした情報の規制については、表現の自由や通信の秘密に配慮しつつ検討を行なうとしている。


 違法・有害情報対策に関するモラル教育については、インターネットを利用する際のモラル・マナーについて注意喚起を図るWebページを作成し、広報活動を行なう。また、学校と連携して行なっている非行防止教室、薬物乱用防止教室などにおいて、少年および保護者に対してインターネット上の違法・有害情報に対する教育を強化する。

 相談窓口の充実については、国や地方公共団体、民間団体などに設置されている相談窓口について、対応マニュアルの作成などにより連携を強化するとともに、違法・有害情報の専門窓口の設置について検討を行なう。また、自殺予防対策サイトを各省庁の協力により早急に立ち上げ、警察がサイバーパトロールなどで把握した自殺企図者や自殺未遂者などへの対応について、厚生労働省などの関係省庁と連携して検討を行なうとしている。


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URL
  ニュースリリース
  http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/others/itanshin.html

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( 三柳英樹 )
2005/06/30 18:20

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