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SoftEtherに不正なコードは見つからず

「今後、外注したプログラムの採用は避ける」と登社長

 VPN構築ソフト「SoftEther VPN 2.0 Beta 3」以前のバージョンに関わる一部プログラムコードを開発した外注先プログラマーが、過去にスパイウェアを作成していたと指摘されていたことが3日、わかった。開発元のソフトイーサでは4日、社外開発の信頼できないコードを除去した「SoftEther VPN 2.0 Beta 3.2」を公開した。

 SoftEther VPN 2.0 Beta 3以前のプログラムファイルは、メモリ効率向上やファイル書き換え防止のため、自己展開型圧縮パッケージユーティリティによって圧縮・暗号化され、EXEファイルとして配布されていた。問題になったのは、この圧縮パッケージユーティリティだ。

 このユーティリティは、ソフトイーサ社内で独自開発することが困難であったため、社外のプログラマーに外注して開発させていた。その後ソフトイーサでは、匿名のユーザーから、このプログラマーが過去にインターネット上でスパイウェアを配布した人物と同一である可能性が高いという連絡を受け、ソースコードを検査した。

 検査の結果、SoftEther VPN 2.0本体以外の不正な動作やVPN通信の安全性を妨げる処理を行なう可能性があるコードは見つからなかった。また、「外注先プログラマーを含めた外部の者は、現在に至るまでSoftEther VPN 2.0のソースコード管理レポジトリを一切操作できないため、SoftEther VPN 2.0のプログラム本体に不正な命令などが密かに挿入されている可能性はない」という。

 圧縮パッケージユーティリティ自体に信頼できないコードは見つからなかったものの、ソフトイーサでは「論理的には極めて低い確率で不具合または欠陥のあるコードが含まれている可能性も存在し得る」として、今後の開発においては「原則として社外に開発を外注したプログラムを採用することは避ける」との方針を示した。

 ソフトイーサの登大遊代表取締役社長は「発注した際は、そのプログラマーがスパイウェアに類するものを開発していたことは知らなかった」とコメントしている。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.softether.com/jp/news/050704.aspx
  SoftEther VPN 2.0からの信頼できないコードの除去について
  http://www.softether.com/jp/vpn2/report1.aspx

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( 鷹木 創 )
2005/07/04 13:42

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