マクロメディアは11日、より効果的なリッチコンテンツやリッチアプリケーションを提供するプラットフォーム構想「Flash Platform」を発表した。この構想は米Macromediaが6月6日に発表したもので、同日マクロメディア本社でプレゼンテーションが行なわれた。
Flash Platformでは、ブラウザやOS、ハードウェア機器の種類を問わずに、リッチコンテンツやリッチアプリケーションを表現できるプラットフォームを目指す。Flash Playerを核として、リッチアプリケーションの開発ツール「Flex Builder」、専用サーバー技術「Flex Server」「Flash Communication Server」、オンラインコミュニケーションを実現する「Breeze」などの関連製品との結びつきを強めたソリューションを提供する考えだ。
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米Macromediaの田中章雄VP and Technology Advisor to the CEO
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Flash Platformシステムの概念図
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Flash Platformの対象として、米Macromediaの田中章雄VP and Technology Advisor to the CEOは、「スクリーンのある世界はすべてがターゲット」と言い切る。Flash Platformを採用している企業としては、「主要なインテグレーションパートナーやメジャーな携帯電話メーカー、デジタル家電メーカーなどから指示されている」という。
Macromediaによれば、現在、5.7億台のデスクトップ上にFlashが存在し、家電メーカー100社以上にライセンス提供しているという。PC上の普及率としては、「新たなFlash Playerがリリースされてから12カ月で80%の普及率を達成している」とアピール。なお、「Internet Explorer 6.0は51カ月で77%、Windows XPは45カ月で65%の普及率」としており、Flash Playerの普及率の高さを訴えた。
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Flash Playerは、インターネット接続可能なPCやモバイル機器において約5.7億台にインストールされている
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新たなFlash Playerがリリースされると、約12カ月で80%の普及率を達成するという
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● Flash Platformの核となる次世代Flash Playerをプレビュー
なお、「Flash Platformの核となる」というFlash Playerの次世代バージョン(コードネーム:Maelstrom)のデモンストレーションも実施された。
Maelstromでは、グラフィックの表現力やパフォーマンスが強化され、複雑な描画の表示スピードが向上した。これにより、金融マーケットの相場をリアルタイムで表示したり、動画の上に合成したビデオを表示することなどが可能となった。また、影やぼかし、輝き、色の変化などの効果を適用できるようになり、「Photoshopなどで静止画に用いるようなエフェクトを、Flash Player側から動画に行なえるようになった」としている。
このほかMacromediaは、オープンソースの統合開発環境「Eclipse」を推進する非営利団体のEclipse Foundationに参加することも明らかにした。Macromediaでは、リッチインターネットアプリケーション開発ツールの次世代製品をEclipseベースにする。コードネーム「Zorn」と呼ばれるこの製品は、Flexフレームワークを用いてリッチインターネットアプリケーションを開発する強力なツールセットを提供するとしている。
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次世代Flash Playerではグラフィック表現力やパフォーマンスが向上
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金融マーケットの相場など、リアルタイムに変化する描写にも対応する
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Webページ上に炎を合成させることも可能だ
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動画に影やぼかしなどの効果を適用できる
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関連情報
■URL
ニュースリリース
http://www.macromedia.com/jp/macromedia/proom/pr/2005/flashplatform.html
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・ Macromedia、次世代「Flash Player」のベータ版を開発者向けにプレビュー(2005/06/07)
( 増田 覚 )
2005/07/11 17:17
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