WinnyがインストールされたPCでは、業務を行なわない――。経済産業省原子力安全・保安院は22日、原子力発電所の点検用資料などがインターネット上に流出したことを受けて、情報管理の規則を定めた。
保安院によると「データがWinny上に流出している」という匿名のメールが10日に経産省に届いたという。メールには東京電力柏崎原発や関西電力美浜原発などの逐条点検用資料のファイル5種類が添付されていた。なお、保安院が確認したところ、Winnyのネットワーク上では、通報された5種類のファイルは見つからなかったという。
内部調査の結果、Winnyを私物のPCにインストールしていた職員が2人いたが、流出した5種類のファイル全部にアクセスした経験があるのは、そのうちの1人だけだった。この職員は6月下旬に該当するPCを廃棄していたが、廃棄業者に確認したところ、ウイルスに感染していたことが判明。保安院では「Winny上では流出したファイルが確認できなかったものの、Winnyで感染するウイルスによる流出の可能性が高い」としている。
今回流出したファイルは、原発点検時にガイドラインの条文と照らし合わせる逐条点検用の資料。特定の個人や企業の情報は含まれておらず、自宅に持ち帰って仕事することも禁止されていなかった。また、ファイルを流出させてしまった可能性が高い職員に対しても「法に触れる行為ではないので、特に処分は行なわない」という。
とはいえ、保安院では、これまで情報管理の規則が定められていなかったのも事実。今回、ファイル交換ソフトを通じた情報漏洩を防ぐ目的で「ファイル交換ソフトの入ったPCは利用しない」「資料の持ち帰りには上司の了承を受ける」「持ち帰ったファイルは作業が終わったら削除する」「ファイルにパスワードをかけて流出しても閲覧できないようにする」といった規則を決めたとしている。
関連情報
■URL
原子力安全・保安院
http://www.nisa.meti.go.jp/
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( 鷹木 創 )
2005/07/22 19:17
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