総務省は29日、さまざまなメディア上で流通するコンテンツの制作・流通に関する調査結果を公表した。2003年のコンテンツ市場規模は10兆8,604億円で、映像系ソフトが好調なほか、コンテンツの2次利用が拡大し、ネットワークでのコンテンツ流通も急速に進展しているという。
調査では、コンテンツを映像系(テレビ、ゲームなど)、音声系(CD、ラジオなど)、テキスト系(新聞、雑誌など)に分類。また、コンテンツの作成時に想定したメディアでの利用を「1次利用」、小説の映画化などのように当初とは別のメディアで展開されたものを「2次利用」として集計・分析を行なっている。
コンテンツ市場全体では、2003年の市場規模は10兆8,604億円(前年比0.4%増)。内訳は、映像系が4兆9,184億円(同2.5%増)、音声系が9,317億円(同1.5%減)、テキスト系が5兆103億円(同1.2%減)。映像系ソフトの拡大が続く一方で、音声系・テキスト系ソフトの減少が続いているが、下げ幅は縮小している。
1次利用と2次利用の分類では、1次利用市場が8兆7,410億円(前年比1.7%減)、2次利用市場が2兆1,194億円(同10.0%増)となり、コンテンツの2次利用が拡大している。
映像系コンテンツの内訳は、映画が8,543億円、ビデオソフトが2,760億円、地上テレビ番組が2兆7,203億円、衛星テレビ番組が5,625億円、ゲームソフトが4,676億円など。前年比では、映画が5.7%増、衛星テレビ番組が11.4%増と大きく拡大している。
音声系コンテンツの内訳は、音楽ソフトが6,620億円、ラジオ番組が2,694億円。音楽ソフトについては、1次利用が3,985億円と前年比で10.1%減少する一方で、2次利用は前年比12.7%増の2,635億円となり、2次利用の割合が高まっている。
テキスト系コンテンツの内訳は、新聞記事が2兆798億円、コミックが5,985億円、雑誌が1兆3,299億円、書籍が7,281億円などで、いずれも2002年から減少している。
コンテンツ流通のうち、携帯電話やインターネットなどによるネットワーク流通の市場規模は5,368億円(前年比34.9%増)と急速に進展している。内訳は、音楽ソフトが1,544億円(同18.9%増)、ゲームソフトが583億円(同66.4%増)などで、着うたやネットワークゲームなどの普及がネットワーク流通市場の拡大に貢献している。コンテンツ市場の今後の方向性については、2次利用の拡大が重要で、特に成長著しいネットワーク流通市場の拡大がキーポイントになると分析している。
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■URL
ニュースリリース
http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/050729_10.html
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( 三柳英樹 )
2005/07/29 18:08
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