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総務省、今後の電話番号のあり方に関する研究会の報告書を公表


 総務省は10日、「IP時代における電気通信番号の在り方に関する研究会」の第1次報告書を公表した。報告書では電話番号体系の今後の課題として、市外局番など番号区画の見直しや、固定電話と携帯電話が融合した形のサービスに対する電話番号、固定電話の番号ポータビリティサービスによる電話番号のひっ迫対策の検討などを挙げている。

 この研究会は、固定電話と同じ「0AB~J」型の電話番号を利用するIP電話の拡大や、ドライカッパを用いる直収電話サービスの登場などを受けて、電気通信番号(電話番号)の今後のあり方を検討するために2004年12月に第1回会合を開催。2005年6月に報告書案をとりまとめ、寄せられた意見を踏まえて第1次報告書として公表した。

 報告書では、ネットワークのIP化の進展に伴い、地理に依存しない通話料金の均一化や低廉化、サービス内容や品質の多様化といった変化が生じると指摘。一方で、ユーザーに対するアンケートの結果などから、「03」や「06」から始まる番号は固定電話、「090」は携帯電話といったように、番号から通話相手のサービスを識別できるという電話番号の役割は今後も引き続き維持することが必要としている。

 市外局番により地域が識別できるという電話番号の地理的な役割については、一定程度の地理的識別を維持すべきとしつつも、現在は全国を約600に分割している番号区画の見直しなどの検討が必要だとした。電話番号により通話料金を識別できるという役割については、将来的には通話料金の均一化などによりニーズが低下するものの、移行期には必要であるとしている。また、携帯電話と固定電話を組み合わせた「FMC(Fixed Mobile Convergence)」と呼ばれるサービスについては、サービスイメージの明確化と利用する番号の検討を行なうべきとしている。

 固定電話番号の需要については、20年後(2025年)の新規需要を約1億4,400万番号と予測。これにより、全国591区画のうち202区画で電話番号が足りなくなるとしている。ただし、新規需要の約7割は固定電話の番号ポータビリティで利用する二重番号によるもので、二重番号の利用をとりやめた場合には電話番号が足りなくなるのは54区画に止まるとしている。

 他社の電話サービスに番号をそのまま引き継ぐ番号ポータビリティサービスは、固定電話の場合にはコスト面などの事情から、現在は内部的には2つの電話番号を利用する形態がとられている。報告書では、固定電話の番号ポータビリティの二重番号使用について、2~3年後をめどに解消することが必要として、暫定的には通常は利用者の番号として利用できない空き番号を使用する措置などが適当であるとしている。

 その他の検討課題としては、電話番号をドメイン名に置き換える「ENUM」について、総務省がトライアル用のドメイン名「1.8.e164.arpa」をITUおよびRIPEに登録し、これを利用して国際的な枠組みでのトライアルを実施するとした。実用化に向けた検討については、今後の動向を踏まえて別途実施するとしている。

 また、「116」「151」「157」などの1XY番号を自社の新規サービスの営業案内に用いることについては、公正競争上の問題があるかや、1XY番号以外の番号に統一する場合の利用者への影響などについて検討が必要だとした。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/050810_2.html

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総務省、電気通信番号の研究会報告書案を公開~FMCやENUMも検討課題に(2005/06/20)


( 三柳英樹 )
2005/08/10 20:18

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